
つわりに効くと云われているツボをいくつか、ご紹介します。
セルフケアにも使えるつわりに効くツボ
内関(ないかん)
つわりのツボで、いちばん有名なのが【内関(ないかん)】。
内関は、手首の内側(手のひら側)手首のしわの真ん中から肘に向かって、だいたい指3本分のところ。
縦に走るスジとスジの間にあります。
内関は、つわりだけでなく、乗り物酔いに効くツボとしても有名。
つわりバンドといって、
内関のツボを刺激するリストバンドが売られているようです。
口コミなどを調べてみると、効果があるかないかは、人それぞれのようです。
その理由は、
「○○の症状だから、このツボを使う」という考え方は、ツボを使っているだけで、東洋医学的な身体の診方ではないからだと思います。
つわりの吐き気という一見、同じ症状でも、
東洋医学では、その背景にあるものをみて、判断します。
たとえば、内関が効くのは、妊娠や出産に不安がある人が多い。
胸のうちにある熱=思いを発散できない人。
胸郭の動きが固く、呼吸が浅い人は、
背中のツボ(肺兪など)をあわせて使うこともあります。
足三里(あしさんり)
胃腸がお疲れモードの時には、【足三里(あしさんり)】がおすすめです。
足三里は、膝の下、足の外側にあるツボです。
足三里は、胃経のツボなので、
ひざ下から足首までの胃経のラインを触って、気の流れを促すのもよいです。
自分でケアする時は、
滞った氣が流れていくイメージでさすってあげてください。
裏内庭(うらないてい)
胃腸の働きを整えるツボは、足三里の他に【裏内庭(うらないてい)】があります。
裏内庭は、足の裏、人差し指の付け根あたり。
裏内庭は、食あたりや蕁麻疹などにも使うツボです。
食中毒の特攻穴とも言われています。
私がつわりの時は、裏内庭に熱めのお灸をしました。
つわりに即効性があるとはいえませんが、胃腸にこもった湿熱を取るのが、裏内庭だそうです。
食あたりや蕁麻疹の症状は、アレルギー症状とよく似ています。
つわりが一種のアレルギー反応だと考えると、裏内庭を使うのもいいのかなと思ったりもします。
ただ、熱めのお灸なので、
お客様に使う場合は、相手を選んでいます。
吐き気を抑えるツボ
こみあげてくる吐き気を抑えるツボには、【天突(てんとつ)】と【承奨(しょうしょう)】があります。
天突は、顎の下のラインにある、鎖骨と鎖骨の間にあるくぼみです。
承奨は、下唇の中央のすぐ下にあるくぼみです。
ここは、なでる・さする・手当てをするなど、やさしく刺激するのがいいと思います。
中脘(ちゅうかん)
みぞおちとへそを結んだ線の中間点にあるツボが「中脘(ちゅうかん)」
胃を丈夫にするツボで、
胃痛、嘔吐、膨満感、消化不良などの症状を緩和します。
つわりの吐気を抑えるために、
腹部が緊張している時に、ぬるめのゆたんぽや温かいタオルなどをあてると、気持ちがよいのでおすすめです。
施術の時は、
背中から
ツボの使い方
ツボの刺激する方法として、
ご自身でやる時は、まず手始に、ツボの周辺をやさしくなでて、じんわり手をあてるだけでOKです。
ギューギュー押す方法はおすすめしません。
ただ、先ほどもいったように、
「つわりだからこのツボ!」という選び方は、本来の適切な方法ではありません。
実際の施術では、
カラダの反応やツボの様子をみて、決めることがほとんどです。
つわりに限らず、
「○○に効くのはこのツボ」という情報だけで、そのツボを押してみて、症状が良くならないから「効かない」というのはまちがっています。
鍼灸師は、
ただ単にツボの正しい位置を探すだけでなく、身体の反応を見極めたり、鍼やお灸を使って、術を施しています。
それが、プロの技というもの。
もちろん、ツボもひとつの参考にはなります。
ご自身でケアする時には、
そこをとっかかりにして、身体の気持ちいいところを探す=身体の声を聴く。
そんなきっかけになれたらいいなーと思います。
つわりとマタニティ鍼灸・産前産後じゃないおっぱいセラピー【助産院 ある】/助産師の鍼灸師 下地あやの