「自分ほど、ひどいつわりの妊婦が周りにおらず、理解されなくて辛いです。
出産が恐いという思いも強く、妊婦生活が苦しいです。出産を恐いと思ってしまう人って多いのでしょうか?」
つわりさんから、
そんな内容のご相談を、メールでいただきました。
メールの文章から察するに、
あまりにつらそうなご様子だったので、
おせっかい心が動いてしまい、ついつい、長文の返信メールになってしまいました。
メールの送り主を、つわりのAさんとします。
つわりのAさんがおっしゃるように、
妊娠や出産の不安や恐怖は、つわりが悪化する要因のひとつだと言われています。
でも、妊娠や出産に対して、
1ミリも不安や恐怖を感じない人なんているんでしょうか?
私は、いないと思います。
人の身体には、潜在的に、
変化を嫌うシステムが備わっています。
なぜなら、
変化には、生命の危険がともなうからです。
たとえ、危険がなかったとしても、
変化に対して、危ないと感じるようにインプットされています。
生き物としての本能です。
妊娠は、女性の身体にとって、ものすごく大きな変化です。
まして、出産は、
つい、ほんの一昔前までは、「棺桶に片足をつっこむもの」と云われてきました。
医療が発達して、
そのリスクは減ったかもしれませんが、
"命がけ"であることには、変りはありません。
だから、恐いと思うのは、素直なカラダの反応です。
私だって、2人目も3人目も、産む前は、やっぱり恐かったよ。
経験者だから、医療職だから・・?
そんなの関係ないよね。
絶対、大丈夫!なんて保証はどこにもない。
だから、信じるしかない。
まず、恐いと思う自分を否定しないこと。
しっかりしなくちゃ
こわい、こわいなんて言ってる場合じゃない、泣いてばかりじゃダメだ
そんな風に感情を否定しないで。
自分を否定しないで。
「恐いと思って当たり前、恐いと思っていいんだ」
まずはOKを出してから、次のステップ!!
恐いと思うのはあたりまえ
だけど、
そんな感情にのみこまれてばかりだと、辛いだけ、だね。
それを変える方法は、
きっと、いろいろあると思うけど、
私がおすすめするひとつは、
【身体からのアプローチ】です。
あなたは、
感情を、どこで感じるものだと思っていますか?
ココロ?ハート?
それとも、脳??
東洋医学では、感情は、
それぞれの臓腑、つまり、カラダが司っている(感じる)と考えています。
恐いという感情、
恐怖は【腎】の担当です。
【腎】については、ラジオでもお話しています。
【腎】のキーワードは、
生命力、性、生殖、成長、老化、胎児、充電、睡眠、冷え、下半身・・など
つまり、妊娠・出産はとくに、
腎のエネルギーが大きく関係します。
だから、
必要以上の恐怖を感じてしまう時、もしかしたら、腎のエネルギーが思っている以上に消耗してるかもしれない。
なので、感情云々はひとまず置いといて、
腎のエネルギーを補充するような身体へのアプローチもいいかもしれません。
気持ちは目には見えないし、
他人にどうこうできないけど、
身体なら触れられる、
私の手をお貸しすることができる。
Aさんは、今はつわりが、とにかく辛くて辛くて、
自分の身体を信じられなくなっているのだと思います。
いろんな気持ちや考えが浮かんできて、
家族のこと、周りのこと、これからのこと、自分の身体のこと・・
ココロもカラダもパニック状態。
だから、まず、ひとつずつ。
いま、やるべきことは、
つわり期を脱することに集中する。
それ以外はやらない、考えない。
つわりが落ち着いてきて、
ある程度、身体への信頼を取り戻せたら、
・気持ちいいと思うこと
・身体がよろこぶこと
・エネルギーの補充をすること
・気をめぐらせること
そういうことを、
少しずつ増やしていったらいいのだと思います。
"カラダが変わるとココロも変わる"
きっと、出産への恐怖も、感じ方が変わってくるはずです。
Aさんは、
「通っている病院の先生や助産師さんに、なかなか相談ができない」ともおっしゃってました。
それもまた、つらいことだなと思います。
必ずしも、通ってる病院の先生や助産師にこだわる必要はないかもしれないね。
不安や疑問に思うことを気軽に相談できる場所や、
何もかもベラベラ話す必要はないけど、身をまかせられて、リラックスできる場所。
そういう場所をみつけられたらいいなーと思います。
もし、お近くにいらっしゃるなら、
ぜひ一度、うちにいらしてください。
心からお待ちしています。
つわりとマタニティ鍼灸・産前産後じゃないおっぱいセラピー【助産院 ある】/助産師の鍼灸師 下地あやの