点滴をしたら、一瞬でつわりがよくなる!!
そんな薬があったらいいのになぁ。
もともと、薬はあまり飲まない方だけど、つわりの時は、本気で考えてました。
(薬が赤ちゃんに良くないことはわかっているけど、考えるくらい、いいじゃんね!)
でも、残念ながら、つわりを治すという薬はないんですね。
日本産婦人科学会ガイドラインによると
調べてみたら、
日本産婦人科学会の診療ガイドライン(2017)によると、
制吐剤(吐き気止め)について、
・プリンペラン(メトクロプラミド/ドパミン拮抗薬)は、胎児への悪影響はほぼ否定されており、日本国内で比較的広く使用されていること
・ナウゼリン(ドパミン措抗薬)は、動物実験で、高容量投与による催奇形性の報告があり妊婦禁忌」となっているが、妊娠に気づかす使用する例が多くあり、その際の先天奇形の報告はないこと
・ドラマミン(ヒスタミンHi受容体措抗薬)は「妊婦有益性投与」とされていて、わが国でも使用可能であるが、動揺病・メ二工ール症候群・手術後の悪心嘔吐が適応症となっているため、妊娠悪阻で使用する場合は保険適応外。
といった内容の記載がありました。
また、便秘がつわり症状を悪化させることもあるので、便秘改善の薬を使う場合もあります。
病院や医師によっては、つわりに効くという漢方薬を、あわせて処方するところもあるみたいです。
アメリカでのつわり治療
ちなみに、アメリカでは、ガイドラインとして、
妊娠悪阻による持続的な強い吐き気や嘔吐の第一治療に、ビタミンB6と抗ヒスタミン薬ドキシラミン(国内未承認)の併用を推奨しているのだそう。
ドキシラミンは、
アメリカでは、風邪薬や睡眠剤にも使用されている薬で、日本では未承認です。
アレルギー症状を抑える作用(抗ヒスタミン作用)があり、かなり強力で、眠気がものすごいらしい。
(ドラマミンとドキシラミンは、名前が似ているけど、別の薬だよ!)
ドキシラミンの推奨は、2015年改訂ガイドラインによるもので、
それ以前は、オンダンセトロン(商品名:ゾフラン)という薬がよく用いられていたようです。
が!!
先天性欠損症との関連が示唆されたことを理由に、推奨を控える方針を示しています(やっぱ、そういう事もあるのね・・恐;)
ゾフランは、抗がん剤治療してる人の吐き気止めとして処方される薬なので、「つわりにゾフラン??」と聞いた時は、ちょっとびっくりしたよ。
(ちなみに、日本では、ゾフランは、2017年に販売停止になっています。理由は、諸般の事情。おそらく、それに変わる薬が出来たからと思われます。)
つわりとサリドマイド事件
アメリカで、薬の処方が積極的なのは、医療保険の関係(入院費が爆高い、等)がありますが、
日本ではそうではないので、妊娠悪阻の治療の基本は、まず、輸液とビタミン補給が主、といったところでしょうか。
脱水の改善や合併症の予防がメインで、
治療として、つわりのツラい症状の軽減には、あまり目が向いてこなかったというのが見方もあるのかもしれない。
その背景には、サリドマイド事件という過去の経験があって、
「妊娠初期の安易な薬物治療は避けるべき」という風潮だけではなく、慎重になって当然なのですけどね。
サリドマイド事件とは、
戦後の経済成長期であった1960年前後に、サリドマイドという医薬品により、世界で約1万人の胎児が被害を受けた薬害事件である。サリドマイドは、不眠症、手術前の鎮静、胃腸薬や妊婦のつわり治療として、幅広く使用された。しかし、この薬には、妊娠初期に服用すると、胎児の発達を阻害する副作用があった。被害児の多くは命を奪われ(死産等)、あるいは四肢、聴覚、内臓などに障害を負って生まれた。わが国では、世界で3番目に多い約千人(推定)が被害に遭い、生存した309人が認定されている。~ 障害保健福祉情報システムより ~
という薬害事件のことです。
いつか、つわりの治療薬はできる未来は来るのか?
いずれにしても、
ここにあげた薬は、つわりを治すわけではなく、つわりの悪心や嘔吐を抑える薬です。
何度もいうように、
つわりのツラい症状って、悪心・嘔吐だけじゃないからね。
こんなに医療が発達しているんだから、
なにかひとつくらい、あってもいいんじゃないかとは思いはするけれど、
やっぱり、お腹の赤ちゃんに何かあったら怖いという気持ちの方が強いよな。
つわりの時期というのは、
【催奇形性(さいきけいせい)】と呼ばれる、赤ちゃんの体の重要な臓器がつくられる時期。
お腹の赤ちゃんにとって、
お母さんが摂取した薬剤やX線の影響を、いちばん受けやすい時期です。
つわりの時期に摂取した薬物がお腹の赤ちゃんに与える影響や、
つわりの原因がはっきりとはわかっていないことを考えると、
この先、つわりを治す薬が開発される可能性は低いでしょうね。
さいごに
人間の進化の過程においても、
つわりで、食べ物が食べられなくなったり、体調が悪くて、容易に出かけられなくなるのは、お腹の赤ちゃんが外部からの刺激を嫌うからだ、という学者もいます。
やはり、赤ちゃんへの影響を考えると、
つわりのあるこの時期はとくに、薬の摂取やレントゲン・放射能などの外からの刺激など、細心の注意を払う必要があるってことですね。
私は、ビタミン剤とプリンペランが一緒に入ったものを点滴してもらったことがあります。(効いた感じはしなかったけど)
内服用のプリンペランを、お守りがわりにしているという人もいます。
保険適応外だけど、ドラマミン飲んでみる?と、医師に言われたという方もいらっしゃいました(考えた結果、飲まなかったのだそう)
なので、諸々をふまえて、主治医の先生に相談するのは良い事と思います。
そのうえで、薬は飲みたくない
飲んだとしても、つわりがもっと楽になったらいいなと思う方は、
【つわり鍼灸】も、いっしょに考えていただければうれしいです。
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