つわりと骨盤には、大きな関係があります。
そして、それと同じくらい、
つわりにとって、大切な東洋医学的考え方があります。
東洋医学では、
身体をめぐるエネルギーには、大きくわけて3つの種類があると考えます。
【気】と【血】と【水】(キ・ケツ・スイ)
この3つのエネルギーがバランスよく、滞りなく体中をめぐることが、健康の条件です。
妊娠すると、子宮やあかちゃんに優先的にそれらのエネルギーが使われるようになります。
まず、先に動くのは【気】のエネルギーです。
目や頭の使い過ぎ、運動不足(足腰をつかわない)だと、体の上のほうにエネルギーが集まりやすくなります。
これを上実下虚といいます。
妊娠することで、急に子宮(下腹部)にエネルギーが集まりだすと、さらに【気】のバランスが崩れます。
上から下に流れるはずの気が、
逆に、下から上へとあがってしまうことがあります。
胃の部分で起こると、吐き気や嘔吐といったつわりの症状として現れます。
また、頭や目に起こると、頭痛やめまいが現れてきます。
【気】のめぐりが悪くなると、その次に【水】のめぐりが悪くなります。
【水】のめぐりが悪いというと・・
・水はけが悪い
・湿気が高い
・ジメジメする
・ヌルヌル、ベタベタ・・
・梅雨のジメ~っとした重たい感じ
そういう【水】のめぐりが悪いことを、東洋医学の用語で【湿・シツ】と呼びます。
この【湿】の状態と関係が深いのが【脾・胃】です。
身体をひとつの会社に例えるならば、
【脾・胃】は、主に食べ物の消化を担当している部署の名前です。
ここで働く社員たちは
社内の湿度が上がると、「だるーい、しんどーい」といって作業効率が極端に落ちます。
すると・・
食べ物の消化が悪くなる・食欲がなくなる・口の中がべたつく・よだれが増えるといった症状がでてきます。
むくみや全身のだるさも、この【湿】と関係があります。
もうひとつ、
湿度は、暑さとも関係していますよね。
妊娠すると、女性は、普段よりも体温があがります。
この現象に、先ほどいった【湿】が絡むと、身体の中に熱がこもってしまうことがあります。
普段、あまり汗をかかない人や呼吸が浅い人などに多いです。
身体の中で、熱がこもりやすいのが【心包】と呼ばれる場所です。
【心包】は、
胸のあたりにあるので、胸やけ、動悸や不眠、イライラや不安感といった症状につながります。
つわり症状によくあるげっぷや嘔吐は、心包にこもった熱を、体の外に出すためともいわれています。
ですから、つわり鍼灸では、
その原因に基づいて、気のバランスを調整する・巡りをよくする・【脾】の働きを助ける・【湿】を改善する・こもった熱を発散させる、などのアプローチを行っていきます。
東洋医学の良いところは、
身体の働きから紐解いて、身体本来の働きを助けるところ。
それが、つわりでお困りのあなたに、鍼灸を利用してもらいたい理由でもあります。
つわりとマタニティ鍼灸・産前産後じゃないおっぱいセラピー【助産院 ある】/助産師の鍼灸師 下地あやの