つわりと自律神経は、大きく関係しています。
自律神経は、内臓の動きもコントロールしています。
つわりは、吐き気や嘔吐など、
消化器に関係する症状も多いので、ちょっとくわしく解説してみたいと思います。
内臓の働きを司っているのが、自律神経です。
妊娠すると、
通常、身体は副交感神経が優位に働き、リラックスした状態に傾こうとします。
すると、骨盤はゆるみ、子宮への血流が増えるようになるので、お腹の赤ちゃんが育ちやすい環境を作るためです。
ところが、
仕事やこれまでの生活習慣により、身体にストレスフルな生活を送っていると、副交感神経が働かず、反対に交感神経が優位になってしまうことがあります。
内臓は、手足を動かすように「ああしよう、こうしよう」と自分の意志でコントロールすることはできません。
時に、内臓は、人がアタマで考える意思とはちがう動きをします。
つまり、胃や腸は、仕事の都合や家庭の事情なんて考えないということ。
そして、彼らが考えていることは、
いかに、この身体(あなた)の命をよりよく守ること。
ただ、それだけです。
それでは、そんな身体の立場になって、もう一度、つわりを考えみましょう。
だるさや眠気を起こすことで、
強制的に身体を休ませ、副交感神経の働きを優先させているのです。
また、食欲をなくし、食べた物を吐くことで、胃や腸の緊張をゆるめようとする一面もあります。
つわりは、あかちゃんを異物と捉えるアレルギー反応だという説もあります。
あかちゃんが異物という言い方は妙な気がしますが、変化を好まない身体の立場からすると一理あります。
異物かをどうかを判断したり、アレルギーの程度を決めるのも、自律神経。
その判断によって、内臓を動いています。
ですから、つわりには、内臓の働きが大きく関係しています。
内臓と自立神経だけではありません。
妊娠のためのホルモンには、脳の嘔吐中枢を刺激したり、腸の動きを悪くしたりする作用もあります。
さらには、妊娠によって、通常より体内のホルモン量がふえることで、肝臓の負担がふえます。
肝臓の負担は、全身のだるさや倦怠感とつながるので、つわりの一因になると考えられています。
つわり鍼灸では、まず、身体全体の気の流れを調整します。
そして、ツボや経絡(気の流れ)を使い、胃腸の働きを助けたり、内臓の緊張をゆるめたりもします。
つわりの時の体をさわってみると、
みぞおちが過度に緊張していたり、呼吸が浅くなっていることが多いです。
これは、胃や腸だけでなく、横隔膜や背中の筋肉が固くこわばっていることも考えられます。
なので、妊婦さんに負担のない、深いタッチによってリラックスを促し、副交感神経の働きを助けます。
横隔膜がゆるみ、深く楽に呼吸出来るようになります。
全身の緊張をほぐすことで、
内臓の働きを調え、つわりの症状を少しでも楽にできると考えています。
つわりとマタニティ鍼灸・産前産後じゃないおっぱいセラピー【助産院 ある】/助産師の鍼灸師 下地あやの