つわりとホルモン、自律神経、内臓との関係は、現代医学的な説明です。
ですが、つわりの原因は、これだけではありません。
整体の視点からみると、
つわりは、骨盤の動きと大きく関係しています。
つわりの重い人は、骨盤が固いと云われています。
骨が固いのは当たり前ですが、
骨盤が固いというのは、骨盤の動きが固いという意味です。
というのも、骨盤にも関節があって、それらは微細に動きながら、全身を調整しているからです。
骨と骨のつなぎ目を関節と言いますが、
ただ、骨盤の関節は、肘やひざの関節みたいな大きな動きはしません。
医学部生が勉強するような解剖学の本には、骨盤の関節が動くとは書いていないかも。(わたしが看護学生の時には、そんなこと習わなかった)
骨盤を動かす筋肉の働きが弱いのではないかという見解もできます。
例えば、日頃からデスクワークが多い人、運動不足の人、足腰を使った動きをあまりしてこなかった人など・・
さびついたドアがギシギシいうみたいに、骨盤の動きが錆びついているという感じですかね。
お産の時、赤ちゃんの通り道である骨盤は、大きく変化します。
それ以前に、女性の身体は、生理周期で、骨盤の動きが変わっています。
左右の腸骨の開き方、仙骨の傾き方、尾骨の位置など・・
骨盤の動きは微細なのですが、身体に与える影響は大きいです。
わたしはそういう骨盤の働きを、
鍼灸学校に行って整体の勉強をしてから初めて知って、すごく衝撃をうけました(いい意味で)
整体という言葉を世の中に広めた野口整体の野口先生によると、
つわりは、骨盤(特に腸骨)の開きが悪いことで起きるんだそうです。
腰の骨にゆがみがあったり、その動きが悪い場合もあると書いてありました。
総じて、つわりとは「妊娠・出産に向けて、骨盤の変化が追い付いていない人が味わう不快感」なんだと。
さすが、納得の一言です。
骨盤は、ヒトの身体を支える要となる部分です。
また、女性にとっては、卵巣や子宮の土台となる大切な部分です。
骨盤の動きは、つわりだけでなく、妊娠による体調の変化(マイナートラブル)や出産、産後の育児にも大きく関わってきます。
さらに、骨盤の動きはそれだけでなく、
頭の骨(側頭骨)や肩甲骨の動きともつながっています。
肋骨や肩甲骨といった、胸周りの骨の動きが悪いことにも、つわりが関係してきます。
長時間のスマホやパソコンなどで目を使う人、もともと呼吸が浅い人、横隔膜が固い人、など、つわり症状が重くなりやすいです。
つわりで、ゲーゲー吐いたことのある人はわかると思いますが、吐く時って、けっこう力がいりますよね。
胃の中になにもないのに、吐き気だけがこみあげてくる時・・
(腹筋が裏返るんじゃないかって感じ)
そんなことはけしてありませんが、
わかっていても、この腹圧で、流産してしまわないか、つい心配になってしまうほどです。
ところが、実際のところは、その腹圧で、固く開きにくくなっている骨盤や胸郭などを広げようとしているそうなのです。
また、食べつわりの場合は、食べることで副交感神経を刺激し、骨盤を開きやすくしているんだとか。。
この先、だんだんお腹も大きくなり、その身体とあかちゃんを支えるため、そして、あかちゃんを産むために、骨盤は大きく変化していきます。
つわりは、その先駆けです。
なにごとにおいても、先駆けって大変なものですよね。
つわりが重い人は安産になりやすいと聞きます。
強いつわりの症状で、一気にガッツリ身体(骨盤)を変化させるからかなーと思ったりしています。
つわりとマタニティ鍼灸・産前産後じゃないおっぱいセラピー【助産院 ある】/助産師の鍼灸師 下地あやの