つわりの原因には、
ホルモンが大きく関係していると考えられています。
そのホルモンを調整しているのが、今回、解説する【自律神経】です。
自律神経は、すべての内臓、全身の血管、ホルモンを出す分泌腺などのコントロールをしています。
心臓や胃腸は、
わたしたちが意識をしなくても、勝手に動いていますよね。
その管理をしているが、自律神経です。
身体は、生命を維持するために、もともと大きな変化を望みません。
その調整しているのも自律神経です。
体の中の環境を整えるため、つまり、生命を維持するための大切な機能です。
自律神経は、身体の働きを考える上で、とても大切なポイントとなります。
その働きは複雑で、驚くほど微細で、かつ完璧です。
そのすべてを人間が把握することはできない程です。
なので、原因がよくわからない体調不良のことを、
病院では"自律神経失調症"と呼ぶことでも、理解できるかと思います。(ストレスが原因というのも同じ原理)
自律神経には、2つの種類があります。
ひとつが『交感神経』
交感神経は、体を動かしている時、緊張している時、ストレスを感じている時に働く神経です。
もうひとつが『副交感神経』
副交感神経は、休んでいる時、眠っている時、リラックスしている時に働きます。
この正反対な性格をもつ2つの神経が、シーソーのようにバランスをとって働くことで、健康を維持しています。
自律神経のシーソーは、繊細なバランスで出来ています。
例えば、仕事が忙しすぎて、疲れているはずなのに夜になっても眠れないだとか、寝ていても身体はリラックスできてないという状態。
これは本来、休むべき時に、副交感神経が働かず、その逆の交感神経が働きすぎている状態です。
そして、自律神経のそのバランスが崩れると、身体のあちこちに不具合が現れます。
たとえば・・
・体のだるさ
・食欲不振
・胃痛
・吐き気や嘔吐
・口の中の不快感
・口内炎
・のどの違和感
・偏頭痛
・耳鳴り
・ひどい肩こり
・背中の痛み
・のぼせ
・寒気
・動悸、息切れ
・便秘
・下痢
・不眠
・焦燥感や不安感など精神的な症状
・イライラ、など
いま挙げたものは、『自律神経失調症』とよばれる症状の例です。
でも、よく見てください。
つわりの症状とそっくりだと思いませんか?
つまり、つわりは、自律神経のバランスが乱れることで起きると考えられています。
自律神経は、体内の環境が大きく変化しないように調整する働きがあると書きました。
妊娠=体内に赤ちゃんが宿ることは、大きな変化です。
うまくバランスをとっている複雑なモビールを思い浮かべてみてください。
ある一ヶ所が変化したら、シーソーはバランスを取るのは難しくなります。
少しずつ微妙な調整が必要になります。
妊娠すると、自律神経はきっと、バランスを整えるのに大忙しなはず。
場合によっては、バランスが調うまでに、ある程度の時間がかかってもおかしくありません。
それが、つわりの期間です。
つわりと自律神経に関係があるなら、
ほとんどの妊婦さんに、つわりがあるのもうなずけます。
また、妊娠前から自律神経の不調があった人は、つわりが重くやりやすいといわれているので、人によって、つわりの程度に違いがあるのもわかる。
自律神経の働きのすべてを把握することはできません。
つまり、"目には見えない"働きです。
鍼やお灸は、そういう働きを調えるのが得意です。
なぜなら、東洋医学は、
目には見えない生命エネルギー【気】を取り扱っているからです。
つわり鍼灸では、自律神経の働きを調えることで、つわり症状を和らげることができると考えています。
つわりとマタニティ鍼灸・産前産後じゃないおっぱいセラピー【助産院 ある】/助産師の鍼灸師 下地あやの