ほとんどの人が気付いていない、逆子ケアにお灸が大切な理由

逆子ケアについて調べていると「逆子にはお灸がいいらしい」という情報を目にすることがあるかもしれません。

一方で、
「本当に意味があるの?」
「お灸だけで逆子が治るの?」
そんなふうに感じる方も、きっと少なくないと思います。

最初にお伝えしておきたいのは、逆子のケアは、お灸だけですべてが解決するものではありません、ということです。

休み方や姿勢、呼吸、日々の過ごし方など、いくつもの要素が重なり合って、赤ちゃんの向きやお腹の環境はつくられていきます。

それでも私は、逆子のケアで来られる妊婦さんには、必ずお灸を取り入れています。

そして、まず最初に、セルフお灸のやり方を丁寧にお伝えしています。

それは、お灸が「特別な方法」だからではありません。

逆子という状態に対して、お灸がとても相性のよいケアだと考えているからです。

逆子の妊婦さんに多い、からだと意識の共通点

これまで、何人もの逆子の妊婦さんと関わる中で、必ずとは言いませんが、多くの方に共通している感じることがあります。

それは、
・周りのことを優先している
・気がかりが多く、頭が休まらない
・考えごとが止まらず、常に何かを考えている

といった、意識が外に向きやすい状態です。

妊娠中期は体調が比較的落ち着き、「今のうちに」と、仕事や予定、用事を詰め込みやすい時期でもあります。

気づかないうちに、からだよりも頭が先に働き、呼吸は浅くなり、お腹や子宮への意識が遠のいてしまう。

東洋医学では、こうした状態を「上に気が集まり、下が手薄になる」と捉えます。

けして、それが悪いことだったり、逆子になったのはあなたのせいという意味ではなく、気づくきっかけをくれているというふうに思います。

だからこそ、逆子のケアでは、この意識とからだの偏りを、やさしく整えていくことがとても大切だと感じています。

お灸が「整えるケア」になる理由

お灸は「がんばって何かを変える」ためのケアではありません。

じんわりと温かさが広がり、からだが自然にゆるみ、呼吸が深くなっていく。

お灸の力を借りるで、意識が少しずつ、頭からお腹へ、外から内へ戻ってくる。

「ちゃんとやらなきゃ」
「うまくしなきゃ」

そう思った瞬間、からだの意識や呼吸は、また頭のものになってしまいます。

お灸は、何かを変える・治すというより、意識を体へ戻す、自分にとっての心地よさに気付こうとするきっかけのようなもの。

赤ちゃんが動きやすい環境を、お母さんのからだの内側から整えていくケアだと考えています。

セルフお灸を大切にしている理由

逆子のケアでお灸を取り入れるとき、私が特に大切にしているのは「セルフお灸」です。

それは、お灸の時間が「自分と赤ちゃんに意識を向ける時間」になるから。

一日にほんの数分でも、手を止めて座って、お腹の中に意識を向ける。

この積み重ねが、からだの変化だけでなく、妊娠期間そのものの過ごし方を、やさしく変えていきます。

当院の逆子のお灸でお伝えしていること

当院の逆子ケアでは、お灸を「ただやる」ことはおすすめしていません。

• 逆子のケアで使うツボの取り方
• 妊娠中でも安心して行えるお灸の仕方
• 力を入れすぎず、感覚を大切にする意識の向け方

こうしたことを、一つひとつ丁寧にお伝えしています。

お灸は正しく行えば、妊娠中でも安心して取り入れられる、心強いセルフケアです。

お灸は「治すため」ではなく「整えるため」に

逆子のケアは、赤ちゃんを動かそうとするものではありません。

お母さんのからだと心がゆるみ、赤ちゃんが「動ける余地」が生まれたとき、自然と変化が起こることがあります。

お灸は、そのための静かなサポート。

私は、そんな理由から、逆子のケアにお灸を欠かさず取り入れています。

自分の体に触れ、感じる時間を持つことが、逆子ケアの大切な一部になることを、知っていてもらえたらと思います。

 

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