
当院では、つわりで苦しむ方が、
ツラい期間を、すこしでも楽に過ごすための施術を行っています。
施術の内容は、やさしい手当てによる整体セラピーを中心に、はりやお灸は必要最低限です。
身体への負担がないので、
つわりの時期=赤ちゃんへの影響が心配な妊娠初期でも、安心して通っていただけます。
痛いはり、熱いお灸、ゴリゴリ押すような力強いマッサージなどは一切、行いません。
つわり鍼灸の目的は、つわりを治すことではありません。
つわりは、
妊娠における身体の変化のひとつ。
だから、全身のバランスや骨格を調整し、気の流れや自律神経を調えることで、つわり症状の軽減を図ります。
ただ、つわりの症状も程度も、人それぞれです。
どれくらい、ひどくなるのか?
いつ、つわりが終わるのか?
それは、誰にもわからない。
だからといって、そんな状態が2ヶ月も続き、
先の見えない苦痛を、たったひとりで乗り越えるなんて、どう考えてもツラすぎます。
ですから、施術にあわせて、
・つわりに対する心構え
・時期によって変化するつわりの過ごし方
・気持ちの持ち方、など、
その都度、話を聴きながら、
適切な指導やアドバイスを行っています。
そうすることで、妊娠による身体の変化の波がおだやかになります。
そして、安定期までにはつわりの症状が落ち着き、
新しい命の訪れを心からよろこべるようになることを一番の目的にしています。
また、つわりがおさまった暁には、
その後の安産に向けた体調管理、元気な産後に向けて、引き続き、からだとこころのサポートを行っています。
施術の進め方は、
基本、お身体の状態を見ながら、具体的な施術内容を決めていきます。
たいていは、初めに仰向けに寝てもらい、
手や足、お腹を軽く触ってから、脈を診て、氣のめぐり具合や全身の状態を確認します。
そして、全身のバランスを調えることから始めていきます。
まずは、頭をさわって、頭の骨から調整していきます。
方法はいたってシンプルです。
頭を包み込むように、手をあてます。
ヘッドマッサージのようにギューギュー押したり、首をぐりぐり動かすようなことはしません。
頭を触っている指先や手のひらの感覚から、頭の骨や頭にあるツボを刺激し、微細な調整を行います。
微細な調整というのは・・
頭の骨は、22個の細かい骨が合わさって出来ています。
それらの骨は、全身(背骨や肩甲骨、骨盤の動きなど)と関連しています。
その微細な動きを調整するのは、
全身をととのえる上で、とても大切なことなのです。
また、呼吸とともに、
脳脊髄液の循環も促していきます。
脳脊髄液の循環は、
自律神経のバランスと大きく関係しています。
ご存知の通り、
つわりの原因には、自律神経も関わっています。

脳脊髄液の循環を改善することは、
つわり症状の緩和に有効だと考えています。
さらに、頭にはたくさんのツボがあり、
それらをやさしく刺激することで、全身のバランスを調えていきます。
デメリットとしては微細な触れ方なので、多少の時間がかかることです。
これは、あなたの身体が、
自力で調整をはじめるのを待っているのです。
とはいえ、ほとんどの場合、
施術を受ける方は「なにをしているのかなぁ~」と思ううちに、寝てしまう事が多いです。
身体が、自分で調整をはじめるとどうなるのか・・
鼻の通りがよくなって、自然と深呼吸になる方や、
頭の骨と関連して背骨や骨盤が動くので、背中やお尻に違和感を感じて、モゾモゾと位置を変えるような方も多いです。
目をつぶっていると目の奥がグルグル動く感じがする人、手足の指先がもわーっとなる人、指先がピクピクっと無意識に動いたり、足先までいっきに温かくなったという方もいらっしゃいます。
なので、「これ、なんですかー??一体、なにしているんですか?」と、ビックリする方も、たまにおられます。
妊娠中、つわりの時期はとくに、
身体は、たいへんデリケートです。
外からの刺激や圧力で、
急に何かを治したり、修正しようとするのは、あまり良いことではありません。
なので、多少の時間をかけてでも、
ていねいに『身体の反応を待つ』というのは、とても大切なことだと考えています。
その方が、無理がないですし、
あなたのカラダにとって、心地がいいというのはまちがいない事実です。
ところが、とくに具合が悪いところやこわばりが強い場所があると、反応がイマイチだったり、左右差が出てくることがあります。
そのあたりをよく診てから、各部位の調整にうつっていきます。
たとえば、つわりの方ですと、
首から肩、背中にかけて緊張している方が多い。
気持ち悪さが続くことでそうなっていると思うのですが、
そういう首や背中のこわばりは、さらなるつわりの悪化につながります。
なので、胸郭と肋骨の動きを調整し、横隔膜の緊張をゆるめます。
そうすると、自然と、呼吸が深くなり、
胃周辺の氣のめぐりが変わり、不快感が軽減します。
ほかには、
骨盤周辺にある冷えの改善や、つわりの原因になる骨盤周りの硬さ、腰の骨の動きなどを調整していきます。
といっても、
頭部と同じで、骨盤や背骨をギューギュー押したりすることはありません。
頭の施術と同じで、必要な部位に手をあてて、
身体の意識をさぐりながら、氣の流れを促し、反応するのを待ちます。
傍からは、手を当てているだけにみえます。
ですが、大抵の方が、
「ホットパックか温タオルを当てているのかと思うほど、温かくなった!」とおっしゃいます。
それは、身体が反応して、氣がめぐる際に起こる現象だととらえています。
胃腸の働きが悪い場合には、
そこに関係する経絡の流れから、改善を図ることもします、
ツボへの刺激は、鍼を使ったりもしますが、
初めての方や繊細なつわりさんには、刺激が強いことがあるので、様子を見ながら行います。
必要なツボに手をあてて、経絡(気の流れ)をうながすこともあります。
お灸を使う場合もありますが、
つわりさんは、煙の臭いが負担になることもあるので、ご相談の上、すすめています。
さらに、お体の状態に合わせて、
経絡マッサージや軽いストレッチなどを取り入れることもあります。
正直にいいます。
1回の施術で、つわりを、完全に楽にすることはできません。
なぜなら、最初に申し上げたとおり、
つわりは、妊娠における身体の変化のひとつだからです。
だから、起きる症状も程度も人それぞれ。
なので、つわり鍼灸の目的は、
今の症状を少しでも楽にし、長引かせず、悪化させないことです。
つわりには、波がある。
その波に寄り添い、
できる限り、変化をおだやかにするのが【つわり鍼灸】なのです。
そして、いちばんの大きな目標は、
つわりだけではなく、妊娠から出産までを通して、あなたが元気で、健康に、軽やかな身体で過ごすことです。
つわりや出産をきっかけに、
自分の身体と向き合うこと、意識を向けること、その大切さに気付くこと。
どんな時期であっても、
"女性が幸せな身体になる"という、私のサービスの大きな目標でもあります。
つわりをともに乗り越え、
定期的なお身体のメンテナンスを行うこと
安心した気持ちで出産ができ、
その後も元気に子育てする、
そんなあなたの力になること。
それが、私の志事です。
