逆子ケアで、よくある誤解について
逆子について調べ始めたときに、知っておいてほしいこと
逆子について調べ始めると、いろいろな情報が目に入ってきます。
その中には、受け取り方しだいで誤解を生みやすいものや、実際のケアの考え方とは少しズレているものもあります。
ここでは、助産師として、また鍼灸師として日々関わる中で、時々耳にする「逆子ケアに関する誤解」についてお話しします。
「自然に戻るから様子を見ていればいい」という誤解
まずよく聞くのが、
「逆子は自然に戻るから、様子を見ていればいい」というものです。
たしかに、妊娠28~30週ごろは、赤ちゃんの向きが自然に変わることもある時期です。
ただ、何も意識せずに過ごすのと、体の状態に目を向けながら過ごすのとでは、その後の経過が違ってくると思います。
「自然に任せる」ことと「何もしない」ことは、決して同じではありません。
「逆子の治療」という言葉からくる誤解
次に、「逆子の治療」という言葉からくる誤解もあります。
病院で行われる外回転術などは、医学的な意味での治療にあたります。
一方で、助産院や鍼灸院で行う逆子ケアは、『治療』ではありません。
逆子ケアは「逆子を治す」「赤ちゃんを回す」ことを目的にするものではありません。
無理に赤ちゃんの向きを変えるのではなく、赤ちゃんが自分で動きやすいように、子宮や体の環境を整えていくことをしています。
「がんばればなんとかなる」という誤解
「体操をがんばればいい」「逆子のツボを押せばいい」と思われる方もいます。
逆子ケアは、がんばったから、その分、結果が出るものでもありません。
「一生懸命、頑張る!」という意識が、かえって体を緊張させてしまうこともあります。
お灸についての考え方
逆子のケアに、お灸を取り入れることには、とても大事な意味があります。
ただ「逆子にいいと聞いたから」とツボだけを押したり、お灸をしたりするよりも、体全体の状態を見ながら、特別な“ポイント”を意識して行うほうが、力を発揮しやすいと感じています。
逆子のお灸レッスンでは、その大切な“ポイント”をお伝えしています。
穏やかなマタニティライフを過ごすための逆子ケア
逆子そのものは、妊娠の経過の中で起こりうる、ひとつの状態です。
誰かのせいでも、何かが足りなかったからではありません。必要以上に自分を責める必要もありません。
その上で、大切にしてほしいのは、正しい情報を知り、今の体の状態に合った選択をすることです。
周りの情報に振り回されすぎず、「今の自分には何が合っているかな」と考えていくことが、安心につながっていきます。
逆子について知ることは、不安を増やすためではなく、妊娠後期を心穏やかに過ごすための準備です。
誤解をひとつずつほどきながら、自分の体と赤ちゃんに合った過ごし方を見つけていきましょう。
逆子のケア|助産院ある(沖縄うるま市)
