赤ちゃんの頭の形や向きグセについて、
「もう少し様子を見てから考えよう」
そう思うことは、けして間違いではないと思います。

日々の育児に追われる中で、
判断を急がずに見守りたい、という気持ちも大切だからです。

ただ、頭の形に関しては、
月齢が進むにつれて、選択が少しずつむずかしくなっていくという側面があることも、知っておいてほしい事実です。

とくに、ヘルメット治療に関しては、一定の月齢を過ぎると、治療対象外になってしまうことも知っていてほしいです。

時間が経つと「選びにくくなる」理由

ベイビーヘッドケアでは、月齢が進んだからといって、急に何もできなくなるわけではありません。

ただ、
・体の動きが増える
・生活リズムが固まってくる
・赤ちゃん自身の好みや意思がはっきりする
・成長とともに、大泉門や小泉門といったすき間が閉まり、頭蓋骨が固くなってくる

こうした変化によって、関わり方やさわり方に、工夫やエネルギーが必要になる場面が増えていきます。

その結果、「選択肢がなくなる」というより、選択そのものが、少し重たく感じられることがあります。

要は、ベイビーヘッドケアをすること自体が逆に、子育ての負担になってしまう場合があるということです。

低月齢の時期は「整えやすい」タイミング

生後まもない頃は、赤ちゃんの体がやわらかく、生活のリズムもまだ定まっていません。

この時期は、寝かせ方や抱っこ、声のかけ方など、日常の関わりを少し見直すだけでも、体の使い方に変化が出やすい時期です。

つまり、赤ちゃんの頭の形について、早い時期に知っておくことは、何かを無理に始めるためではなく、選択肢を広く持っておくためであるとも言えます。

「様子を見る」と「何もしない」は違います

様子を見ること自体が、悪いわけではありません。

ただ、情報を知らないまま、時間だけが過ぎてしまうと、あとから選べる幅が狭くなってしまうことがあります。

一方で、今の状態を知り、どんな選択肢があるのかを理解した上で様子を見る。

それは、立派な選択です。

知ったうえで待つことと、知らないまま過ごすことは、同じ「様子見」でも意味が大きく異なります。

後悔を減らすために、できること

ベイビーヘッドケアセラピストとして、いちばんツラいのは、お母さん自身が「私のやり方が悪くて、この子の頭をゆがめてしまった」「頭の形を見るたびにかなしい気持ちになる」と自分を責めてしまうことです。

けして、そうではないのに。

その子が生まれ、ここまで元気に成長してくれたのは、あなたのおかげ。

できなかったことより、この子の命を守るために、できたことの方が、数えきれないくらいあるのに、そう思ってしまうのは、かなしいことです。

 

だから、頭の形や向きグセについて、「気になる」という感覚が出てきたとき、ただ、その感覚を大切にしてほしいと思います。

いちばん近くにいる母親だから、いちばんに感じることがある。

そして、今どんな状態なのか、どんな選択肢があるのかを整理する。

それだけでも、あとから振り返ったときの納得感は大きく変わります。

 
月齢が進むほど、選択はむずかしくなります。

だからこそ、選べるうちに知っておく、その視点を持ってもらえたらと思います。

 

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