027|生後8〜9ヶ月頃のベイビーヘッドケア
生後8〜9ヶ月は、赤ちゃんの「世界が拡がる」時期
生後8〜9ヶ月頃になると、赤ちゃんの様子は、これまでとは次第に変わっていきます。
動きがさらに活発になり、じっとしていることを嫌がるようになったり、知らない場所や人に対して、はっきりとした反応を示すようになります。
人見知りや場所見知りが始まるのも、この時期です。
そのため、
「前はできたのに、今は嫌がる」
「落ち着いてさわれなくなった」
と感じることが増えるかもしれません。
でも、それは「できなくなった」のではなく、赤ちゃんの世界が広がり、関わり方の様子が変わってきているサインです。
基本の考え方は、これまでと変わりません
月齢が進んでも、ベイビーヘッドケアの基本的な考え方は変わりません。
ベイビーヘッドケアは、どの月齢であっても、頭の形の変化だけを目的にするケアではありません。
赤ちゃん一人ひとりの状態を見て、無理のない形で関わり、その子の成長の力を信じていく。
その姿勢は、低月齢の頃から、この時期になっても同じです。
ベイビーヘッドケアとしてお伝えする「なで方」の方法、積み上げていくという考え方も変わりません。
ですが、赤ちゃんの月齢が進むにつれて、できることや関わり方は変化するので、それに合わせて、ケアの形も工夫が必要になってきます。
頭の形外来の受診を検討するなら
一般的に、生後8〜9ヶ月頃はヘルメット治療の適正時期は過ぎているとされます。
ですが、適正時期を過ぎていても、受診や相談を行い、医師の判断のもと、治療を始めている方がいるのも事実です。
また受診したからといって、必ず治療が始まるわけではありません。
今の状態がどう見えるのか、
医療の視点ではどう判断されるのか。
それを知るための選択肢として、受診を考えることもできるのではないでしょうか。
また、ヘルメット治療の適正時期は過ぎているから対象外、と言われたとしても、説明を聞いた上で納得できることと、知らずに過ぎてしまうことでは、気持ちの整理が違ってくると思います。
もう遅いですか?まだ間に合いますか?
「もう遅いですか?」
「今からでも間に合いますか?」
このような質問も、よくもらいます。
それに対しては、簡単にYES/NOだけで答えることはできないので、いつも、少し答えに詰まってしまいます。
なぜなら、赤ちゃんの成長のスピードや、動き方、日常の過ごし方、ご家族がどれだけ関われるかが、本当に一人ひとり違うからです。
頭蓋骨の成長により、低月齢の頃と同じ変化を期待することは難しいですが、ご家庭での関わり方や赤ちゃんに合わせた工夫が、意味を持つこともあるからです。
ただし、ベイビーヘッドケアの新規受付は生後10ヶ月まで
ただし、ベイビーヘッドケアでは、新規のご相談・ケアの受付を、生後10ヶ月までとしています。
これは「10ヶ月を過ぎたら意味がない」という理由ではありません。
動きがさらに活発になり、ケアの難易度が上がること、赤ちゃんにとっての負担や、安全面を考慮した上での区切りです。
当然、「もう少し早く知っていれば」と後から感じる方もいらっしゃるのも事実。
だからこそ、このような発信や活動をがんばって続けなくてはいけないなと感じます。
「つながる」時間の大切さ
生後8〜9ヶ月頃は、赤ちゃんの中で「人とのつながり」が大きく育つ時期です。
お母さんと自分、という関係から、
お母さんと自分と、同じものを見る、同じ世界を共有する、という関係へ
例えば、「自分とママと、ママが見ているおもちゃ」のように三者関係を築けるようになり、発達心理学において重要な転換期とも言われています。
自分以外のなにかを、意図を持った主体として認識し、ここから自分以外の誰かと世界を『共有』する能力が育っていく、そんな変化が、少しずつ始まっていきます。
つまり、この時期のベイビーヘッドケアは、
頭の形のケアを通して、ふれること、目を合わせること、声をかけること、そうした時間そのものが、親子の安心や信頼に深くつながっていくものだと考えられます。
このシリーズを、ここまで読んでくださった方へ
ここまで月齢ごとに、ベイビーヘッドケアの考え方をお伝えしてきました。
月齢によって、見え方や悩み、選択肢は変わります。
でも、どの時期にも共通しているのは「知った上で、どう関わるかを考えること」が大切だということです。
だからこそ、赤ちゃんの頭の形について、本当は、妊娠中から知っておいてほしいことがあります。
大きくゆがむ前に、できることがあること。
産後、余裕がない中で判断を迫られないための、知識の準備のために。
妊婦さん向け赤ちゃんの頭のかたち講座『お腹から始まるベイビーヘッドケア』を行っています。
さて、このシリーズは、ここで一区切りです。
でも、ベイビーヘッドケアの考え方は、ここで終わるものではありません。
それぞれのタイミングで、必要な情報に、必要な形で、出会ってもらえたら嬉しいです。
