逆子ケアで変わるのは赤ちゃんの向きだけじゃない
逆子ケアで大切にしていること
逆子ケアというと、どうしても「赤ちゃんの向きが変わるかどうか」に目が向きがちです。
それはもちろん、妊婦さんにとっても、いちばん気になる部分だと思います。
けれど、私が大切だと思うのは、赤ちゃんの向きをどうこうすることよりも、いまの体が、どんな状態であるかに気づいていくこと。
これまで、逆子ケアを重ねていく中で、「変わっていくのは赤ちゃんの向きだけではない」ということを感じてきました。
体の感覚に意識が向くようになったり、呼吸が深くなったり、「いまの自分は、どんな状態かな」と立ち止まれるようになったり。
それは、結果がどうであったとしても、
妊娠後期を過ごしていくうえで、そしてお産に向かううえで、確かな土台になっていくと思うからです。
「整えよう」とすると、体はかえって緊張する
「何かしなきゃ」「整えなきゃ」と思えば思うほど、気持ちも体も力が入りやすくなります。
また、外から「こうあるべき」と整えようとすると、体は知らず知らずのうちに緊張します。
ストレスや緊張が続くと、筋肉はかたくなります。
赤ちゃんのいる子宮も、子宮へ血液を送る血管の壁も、筋肉でできています。
全身の緊張が強いと、子宮の筋肉が硬くなり、また子宮への血流が下がってしまうことがあります。
へその緒の血流量が下がると、子宮内の空間が十分に広がらず、赤ちゃんが動きたくても、動きにくい状態になるかもしれません。
その結果、赤ちゃんが回りたくても回れない、という状況が起きているのかもしれません。
赤ちゃんにとって動きやすい子宮の環境を考える
一方で、子宮の筋肉がやわらかく、血流がよい状態では、赤ちゃんが動きやすい環境が保たれます。
逆子になっても、赤ちゃん動きやすい状態であれば、向きが変わりやすいと考えるのは、こうした理由からです。
だからこそ、逆子ケアでは、「整えよう」と頑張るよりも、心と体が自然にゆるんでいくことが大切だったりします。
少し呼吸が深くなったり、
肩やお腹の力が抜けたり、
「いまの自分、ちょっと楽かも」と感じられること。
その積み重ねが、赤ちゃんにとっても、動きやすい子宮内の環境につながっていきます。
だから、何かを足す前に、いまの体の声に気づくことから。
冷えているところはどこか
呼吸は浅くなっていないか
力が入りやすいのは、どんなときか
そうした小さな気づきが、体の環境をやわらかく変えていきます。
一度で変えようとしない、という考え方
お灸も、姿勢も、呼吸も、一度にたくさんやることを勧めてはいません。
少しを、長く。
それが、体にとっていちばん無理のない方法だからです。
今日はやりたくない、と思う日があってもいい。
ただ、「できるときにまとめて」より、「ほんの少しを続ける」ことを大切にしています。
逆子ケアは、体と赤ちゃんに向き合う時間
逆子ケアは、結果を出すためだけの【作業】ではありません。
自分の体に意識を向け、赤ちゃんの存在を感じ、日々の過ごし方を見直す時間でもあります。
その過程で、
・眠りが深くなった
・体があたたまりやすくなった
・気持ちが落ち着いた
そんな変化を感じる方も少なくありません。
どんな結果でも無駄になることはない
逆子ケアは、早い週数(28〜30週)から取り入れることで、赤ちゃんの向きが変わることがほとんどです。
でも、やはり中には、変わらないこともあります。
それでも、この時間で育った感覚や気づきは、お産や産後に、かならずつながっていきます。
私は、逆子ケアを受けた妊婦さんに、
その後、健診はどうだったのか?
無事にご出産されたか?
なるべく、ご一報いただくようお願いをしています。
ご連絡をいただけない場合は、こちらからご連絡差し上げていいか、許可をもらうようにしています。
「今日の健診で、頭が下になってました!」
「無事、逆子がなおってました。来週予定日ですが、まだ生まれてません。お腹が重たいです」
など、うれしいご報告をいただきます。
そんな中、こんなメッセージをいただくこともあります。
こんにちは。逆子でお世話になった〇〇です。
先日は、急な予約を受けてくださり、ありがとうございました。
健診の結果ですが、逆子はそのままで、帝王切開になることになりました。
残念だなという気持ちはありますが、赤ちゃんはこっちを選んだのかな、と考えたりして、
逆子と言われた時は「このまま帝王切開だったらどうしよう」と不安しかなかったのですが、今は少し落ち着いて、前向きに考えられるようになりました。
教えてもらったお灸は続けてます。
夜中は何回か起きるんですが、前より眠りが深くなった気がします。
呼吸のことを教えてもらったのも、すごくよかったなと思っています。
帝王切開はもうすぐなので、今はできるだけゆっくり過ごそうと思っています。
いろいろ話も聞いてもらって、本当にありがとうございました。
このようなメッセージをいただけることが、本当にありがたいなと思います。
その方のお産、いのちが生まれる時に、なにか少しでもプラスになるものを手渡せるのなら、逆子ケアは、結果のためだけにあるものではないと、感じる瞬間です。
