逆子ケアで大切にしている「体をあたためる」ということ

逆子のご相談で、お体に触れたりお話を聞いたりする中で、『冷え』を感じる方は少なくありません。

ここでいう冷えは、必ずしもご本人が「寒いと感じているかどうか」だけを指すものではありません。

また、体温計などの数値で表れるものではなく、血流が悪い、気のめぐりが滞っている状態ということもあります。

自覚がなくても、体は冷えていることがある

たとえば、
・手足はそれほど冷たくない
・暑がりだと思っている
・沖縄のように、気温が高い地域に住んでいる

こうした場合でも、お腹や腰、骨盤まわりに触れると、ひんやりしていることがあります。

クーラーの効いた室内で過ごす時間が長かったり、冷たい飲み物をとる習慣が続いていたりすると、体の内側は思っている以上に冷えていることもあります。

体が冷えているとき、起こりやすいこと

体の冷えは、血のめぐりや筋肉のやわらかさにも影響します。

お腹やお尻が冷えていると、知らないうちに体が緊張し、子宮や骨盤まわりもどこかが固く、しなやかな動きができなくなります。

逆子ケアでは、赤ちゃんの向きを変えることよりも、赤ちゃんが事前に動きやすい環境を整えていくことを目的にしています。

その土台として、体があたたかく、やわらかい状態であることは重要です。

あたためることは、特別なことではありません

体をあたためるというと、何か特別なことをしなければいけないように感じるかもしれませんが、日常の中でできることが、たくさんあります。

・湯船にゆっくり浸かる
・足首やお腹を冷やさない
・薄着をしすぎない
・温かい飲み物を選ぶ
・適度に体を動かす

こうした積み重ねが、体の内側の環境を少しずつ整えていきます。

お灸は「あたためる」ためのひとつのツール

逆子ケアでお灸が用いられるのは、体を内側からあたため、血のめぐりや体の感覚に意識を向けやすくするためです。

お灸は、「これをすれば逆子が治る」というものではありません。

体がゆるみ、気血の循環がよくなり、自分の感覚に戻るための手助けをしてくれる、とっておきのツールです。

体をあたためることは、赤ちゃんとの関係を感じる時間

ゆっくりお風呂につかったり、お灸をしていると、
「今、ここが気持ちいいな」
「思っていた以上に力が入ってたんだな」
そんな感覚に気づくことがあります。

その感覚に意識を向けることが、自分の体や赤ちゃんとの距離をぐっと近づけてくれます。

お腹の赤ちゃんとの一体感を、自分の中の深い場所で自然と感じられた時、かけがえのない自信や喜びが、自然と湧いてくる瞬間があります。

ですから、逆子ケアとしてだけでなく、お産に向けて、心と体が安心を感じられる状態で過ごすためにも、体をあたためるという視点を、大切にしていただけたらと思います。

 

逆子のお灸|助産院ある(沖縄うるま市)