逆子ケアで大切にしている「呼吸」について

妊娠中、とくに妊娠の中期から後期にかけては、体調が比較的安定していて、「今のうちに」と動くことが増える時期でもあります。

仕事のこと、引っ越しや環境の変化、習い事や予定の整理、上の子の行事や家族のこと。

気づけば、頭の中がいつも何かでいっぱいになっている、という方も多いかもしれません。

やることや考えることが増えると、知らず知らずのうちに呼吸は浅くなり、意識も体の上のほう(頭や目、肩まわり)に集まりやすくなります。

意識が外に向いているとき、呼吸は浅くなりやすい

・家のこと、仕事のこと、家族の予定を常に考えている
・「今のうちにやっておいたほうがいいかな」と、先のことを考え続けている
・周りに気を配ることが多く、自分のことは後回しになっている
・横になっていても、頭の中では予定や段取りを考えている

そんな状態が続くと、自分のお腹や赤ちゃんの存在に、意識が向きにくくなっていきます。

呼吸が浅い状態では、 お腹の内側まで空気が届きにくく、体もどこか緊張したままになりがちです。

呼吸は意識と体を『内側』へ戻してくれる

呼吸は、頭に集まりやすくなった意識や緊張を、ゆっくりとお腹の内側へ戻してくれる働きを持っています。

特別な呼吸法をしなくても大丈夫

・自分が呼吸をしていることを感じる
・体のどこに空気が入っていくかを感じる
・息を吐く時、体のどこが動くかを感じる
・お腹の内側が、やさしく広がるのを感じる
・「赤ちゃんのいる場所」を思い出す

それだけでも、体の感覚は少しずつ内側へ戻ってきます。

呼吸は、がんばって整えるものではなく思い出すもの。

自分の感覚に戻っていくための通り道のようなものだと思います。

呼吸は、逆子ケアの土台になるもの

逆子ケアにおいて、呼吸そのものが赤ちゃんの向きを変えるわけではありません。

呼吸によって体の緊張がゆるみ、お腹の内側に意識が戻ってくることで、確実に、赤ちゃんが動きやすい環境が整いやすくなります。

呼吸について知り、意識を向けることは、逆子だけでなく、これから迎えるお産全体を支える大切な土台にもなります。

がんばる呼吸ではなく『戻る』呼吸を

「ちゃんと呼吸しなきゃ」
「うまくやらなきゃ」

そう思った瞬間、呼吸はまた頭のものになってしまいます。

逆子ケアで大切にしているのは、上手にすることではなく、自分と赤ちゃんのほうへ、意識が戻ってくること。

忙しさで外に向いていた意識を、呼吸とともに、そっと内側へ。

それだけでも、あなたの体と赤ちゃんとの関係が、静かに確かなものへ変わっていくと、わたしは信じています。

 

逆子のお灸|助産院ある(沖縄うるま市)