逆子ケアのひとつとして、当院ではセルフお灸を取り入れています。

助産院や鍼灸院で行うケアだけでなく、自宅でのお灸(セルフお灸)を大切にしている理由について、ここではお伝えします。

セルフケアは、日常の中で体を整える力になる

一般的には、専門家による施術のほうが、1回あたりの質は高いと考えられます。

たしかに、体の状態を見極めながら行うケアには、専門的な視点が欠かせません。

一方で、逆子ケアにおいては、「特別な1回」よりも、「日々、体に意識を向ける時間」を重ねていくことが、結果につながりやすいと感じています。

たとえ不慣れでも、自分の手でお灸をしながら体を感じる時間を持つことは、子宮やお腹の状態に気づくきっかけになります。

ツボよりも、大切にしていること

セルフお灸というと、「どのツボにするか」「正しくできているか」が気になる方も多いかもしれません。

もちろん、安全に行うためのポイントは大切ですし、当院で行なっているお灸レッスンでは、ツボの探し方からていねいにお伝えします。

ただ、私がいちばん大切にしているのは、「お灸をしている時間を、どんな意識で過ごすか」という点です。

東洋医学では、体は「気(き)」の流れと深く関わっていると考えます。

気は、意識する場所に流れます。

お灸は、ツボそのものよりも、体の感覚に意識を向けるための、とても良いツールなのです。

体の感覚に気づく時間を持つ

お灸をしながら、じんわり温かいと感じたり、呼吸が深くなったり、お腹がリラックスすることがあります。

そうした小さな変化に気づくことで、気がめぐり、全身の陰陽バランスを調和する助けになります。

体の感覚に耳をすます時間は、赤ちゃんとの関係を深める時間でもあります。

セルフお灸とサポート

セルフお灸は、すべてを一人で頑張るものではありません。

妊娠中は、体の変化も大きいため、必要に応じて専門家に相談しながら進めることをおすすめします。

自分でお灸をしながら、「これで合っているかな」「今の体の状態はどうかな」と確認しに来ていただくことで、ケアはより安心で確かなものになります。

逆子ケアは、結果だけを急ぐものではありません

セルフお灸を大切にしているのは、逆子の向きだけでなく、妊娠後期をどう過ごすかを考える時間になるからです。

逆子をきっかけに、セルフお灸をお伝えしたお客さんには「あれからできる時は、夫も一緒にお灸をしています。出産までの間、こんなふうに夫婦の時間が持てるのが意外で、うれしいです」という方もいらっしゃってました。

自分の体を感じ、整える力を、日常の中で育てていくこと。

それが、逆子ケアの中で、セルフお灸を大切にしている理由です。

 

逆子のお灸|助産院ある(沖縄うるま市)