妊娠8ヶ月ごろの健診で、逆子と言われたとき、病院では「まだ自然に戻ることもありますよ」と伝えられることがあります。

実際、28~30週は、赤ちゃんの向きが自然に変わることも多い時期です。

ですから「様子を見ましょう」という言葉を、そのまま受け取って、特に何も意識せずに過ごす方もいらっしゃると思います。

もし、28〜30週に逆子と言われたら「何もしなくていい」というより、必要な知識を知ったうえで、自分自身の体の状態に目を向けていく時期だと、私は考えています。

28~30週は、赤ちゃんがまだ動ける時期

この頃の赤ちゃんは、十分に、子宮の中で向きを変える力持っています。

一方で、少しずつ体が大きくなり、子宮の環境やママの体の影響を受けやすくなってくる時期でもあります。

だからこそ、逆子ケアでは「赤ちゃんを治すこと」が目標ではなく、赤ちゃんが動きやすい環境を整えるという視点が大切になります。

逆子ケアは「回す」ことではありません

逆子ケアに関わるとき、私が見ているのは赤ちゃんの向きだけではありません。

お腹の張りやすさ、体の冷え、緊張の強さ、呼吸の浅さ、日常の姿勢や過ごし方など、体全体の状態を丁寧に確認していきます。

逆子は、そうした体のサインのひとつとして、表れていることが多いからです。

がんばるのではなく、“ととのえる”ための逆子ケア

28~30週の逆子ケアは、何かをがんばる時間ではありません。

ママ自身が自分の体に意識を向け、どんなペースで過ごすことが、自分と赤ちゃんにとって心地いいか知る、大切な時間です。

体を冷やしすぎないこと、緊張をためこまないこと、呼吸を深めること。

こうした日常の過ごし方が、子宮の環境を整えるために、たいせつな感覚のひとつなのです。

選ぶのは、妊婦さん自身と赤ちゃん

逆子ケアには、「これをすれば大丈夫」という正解があるわけではありません。体の状態も、生活の背景も、それぞれ違います。

だから、今の体の状態を理解し、選択肢を知ったうえで、どう過ごすかを決めていくことが大切です。

決めるのは、妊婦さん自身と赤ちゃんです。

 
妊娠8ヶ月(28~30週)の時期は、ママの体と赤ちゃんが、この先のお産に向けて、妊娠後期をどう過ごすか知っていく時期です。

「様子を見る」という時間を、ただ待つ時間にするのではなく、安心して過ごすための準備の時間として使っていきましょう。

 
次の記事では、逆子ケアについて調べたときに出てきやすい、よくある誤解についてお伝えします。

 

逆子のケア|助産院ある(沖縄うるま市)