つわりは、まるで、暗くて長いトンネルの中にいるみたいに感じます。
ひとりで耐えるしかない苦痛
かんたんに、他人に理解してもらえない不満と葛藤
先のみえない不安、そして、恐怖
もしも、「その吐き気、明日になったらおさまります」なんて、はっきりわかっているのなら、ここまで苦痛に感じることはないはずです。
その「明日」は、いったい、いつ来るのか?
そして、その日は、本当に来るのか??
少しよくなったかと思えば、次の日には、その倍ひどくなってたりもするし、
つわりが終わる「明日」の兆しが、まったく感じられないことが、本当につらい。
だから、まずは、そこをはっきり理解しましょう。
あなたは、ただの気分の悪さや、吐き気や嘔吐と戦っているのではありません。
「たかが、つわり」なんていう言葉は、つわりが、ただの吐き気や嘔吐だけだと思っている人達のセリフです。
あなたは、つわりによる、自分の力や努力ではどうにもならない、圧倒的な絶望感と戦っているのです。
しかも、たったひとりで。
そう考えたら、ひとりで我慢しているのが、アホらしくなりません?
「なんで、私だけ?」
そう思って当然。
なので、わたしは『つわり鍼灸』という武器を使って、その【圧倒的な絶望感】と、いっしょに戦っているつもりでいます。
1回の施術で、完全に、つわりを楽にすることはできないかもしれません。
なぜなら、絶望感には、波があるからです。
一度、引いたと思っても、ふとした瞬間にまた、襲ってくる。
うっかり油断していると、ダメージは大きくなります。
身体が弱っていたら、なおさらです。
つわり鍼灸で、施術を受けると、
身体がゆるみ、呼吸が深くなって、エネルギーが巡ります。
滞っていたエネルギーが巡ると、
「大丈夫。必ず終わりがくる」
「大丈夫。きっと、明日は乗り越えられる(明後日はわからないけど)」
「大丈夫。2週間後、またここに来るときには、いまよりもっと楽になっている」
そんな風に、淡い光を感じるようになるのです。
はじめは、うっすらとした光かもしれません。
けれど、積み重なることで、それが希望に変わっていきます。
つわりは、長くて、暗いトンネル。
初めは、出口どころか、進む方向さえわかりません。
だけど、あなたのちょっと先に、小さな明かりが灯れば、どうでしょう?
まずは、進むべき方向がわかります。
ですが、かすかな灯りは、通り過ぎると、すぐに見えなくなるかもしれません。
だけど、続けることで、少し先に、また、小さな明かりが、ひとつ灯る。
そんな感覚です。
それをくり返している内に、
次第に、だんだんと、出口に近づいているのがわかるようになります。
でも、油断しないで。
周りはまだ暗いです。
小さな灯りを頼りに、気をつけて進みましょう。
やっと、出口の光を感じられるようになったら、どうぞ、うしろをふりかえってみてください。
きっと、自分が、どんなに長くて暗いトンネルにいたのかを実感することでしょう。
そしたら、ここまで歩いてきた自分を誇らしく思ってください。
でも、まだ、完全ではないかもしれない。
その時は、最後にひと押し、背中を押しますので、どうぞ、安心してください。
先ほど、私は、
【つわり鍼灸という武器をつかって、あなたと一緒に、絶望感と戦っている】と書きました。
だけど、ごめんなさい。
それはうそです。
わたしは、戦ってなんかいません。
なぜなら、絶望感も、あなたの大切な一部だから。
すべてをひっくるめて、
トンネルを歩くあなたを、最後まで支える役目です。
外に出たら、きっと、世界の明るさにおどろくはずです。
「つわりのない世界は、こんなにもあかるいんだ!!」と思うかもしれません。
人によっては「つわりは終わったはずだけど、こんなもの??」と感じる方もいらっしゃるかもしれません。
いずれにしても、その頃のあなたは、
トンネルの入り口にいたあなたとは、違うあなたになっています。
だから、多少の違和感を感じても、しょうがないことです。
大丈夫。
その変化は、これから子どもを産み、育てるあなたにとって、必要な変化です。
そして、あなたの歩く道は、トンネルを抜けたら終わりではありません。
トンネルの出口と思っていたそこは、
お産、そして、子育てに続く道の始まりです。
つわりほど、暗い道ではないと思います。
だけど、もし困難を感じたら、思い出してください。
その時は、また違う道具をもって、必ず、助けにいきますから。