つわりがひどくて、病院を受診したら、入院を勧められることがあります。
考えられるパターンは4つ。
① 今すぐ入院して治療しないと、お母さんと赤ちゃんに危険が及ぶ場合
② 脱水症状がひどく、点滴治療のために、入院したほうが管理しやすい場合
③ 自宅安静でもいいが、念のため、入院させるという場合
④ 患者さん自身が入院を希望する場合
入院の必要度は、
もちろん、①がいちばん高く、この場合、選択の余地はありません。
医師の指示にしたがって、素直に入院してください。
>問題は、②~④の場合。
②は、①に次いで、
入院の必要度は高いですが、病院側の事情(入院できる施設か、ベッドの空きはあるか、医師の見解など)によって変わってきます。
ですが、患者さんの立場からしたら、
つわりが辛いのには変わりないので「入院してください」と言われたら、①~③の違いなんてわからないですよね。
医療者側もそこまで、こまかな説明はしないことがほとんどです。
でも、入院したからと言って、
必ず、つわりが良くなるってわけでもないんですよ。
病院という慣れない環境が合わない場合だってあります。
そこで、入院を勧められたら、まず考えるべきこと。
私は、入院したいのかどうか?
Yesなら、どうぞ、そのまま入院手続きを進めてください。
No、もしくは、よくわからないなら、次に考えることは、
今すぐ、入院しないと、命に危険が及ぶのかどうか?
医師に確認して、
Yesなら、どうぞ、すみやかに入院手続きをしてください。
もし、入院か自宅か、選択の余地があるなら、
病院の言いなりではなく、自分にとってはどっちの環境がよさそうか、一度、立ち止まって考えてもいいと思います。
やっぱり、入院したほうが安心だし、仕事や家事から離れられて、ゆっくり休めそう・・と思ったら、入院手続きをしていいと思います。
ですが、もしも、入院したくない、家のほうが良さそうと感じたなら、その旨を医師に告げること。
できれば、代替案も提示すること。
例えば、
「上の子もいるので、なるべく入院したくないんですが、外来に点滴をしに通うことは可能ですか?」とか。
ただ「入院したくない」だけでは、
医療拒否と受け取られて、「ちょっとめんどくさい患者さん」と思われるのは避けたいところ。(今後も妊婦健診に通ったり、まして出産する病院だとなおさら)
代案がうかばなければ、聞いてみるのもいいと思います。
「入院したくないけど、なにか、ほかの方法はありませんか?」などです。
NOではなく、こちらの意向を伝えてみるという感じで、聞いてみるのがいいと思います。
逆パターンもありです。
外来で点滴と言われて、
もし、家庭や仕事の事情で、入院したほうが安心だなと思うなら、おもいきって事情を説明し「入院させてほしい」と言ってみるのも、けして、まちがいじゃないです。
つまり、言いたいのは、
大事なのは、周りの提案、意見はとりあえず、さておき、自分はどうしたいのか?どうした方が良さそうなのか?
自分のことは自分で考える。という姿勢です。
その答えが、たとえ、結果に結びつかなくても、
状況的に、それをかなえるのが難しかったとしても、
・自分の意思を、自分の中でまずはっきりさせること
・その意思を、ひとまず、相手に伝えてみること
それが望んだ結果になるかは別(そこは、柔軟な思考と態度が必要)
これって、生きてく上で、けっこう大事なことなんですよ。
わたしの場合
ちなみに、わたしも入院を勧められたことはあります。
たしか、ケトンが出ていて、脱水症状が進んでいたと思います。
本来だったら、入院すべき状況です。
それは、自分でもわかっていました。
ですが、入院するかどうか、すぐに即答しませんでした。
そのかわり、こう言いました。
「先に点滴してから、考えてもいいですか?」
そして、3時間ほど、外来のベッドで、吐き気止めの薬が入った点滴をしながら、どうしたほうがいいか考えました。
ここで点滴をして、
もし、ほんの少しでも、楽になる兆しが感じられたら、入院しよう。
点滴をしている間、
このベッドで、少しでも眠ることができたら、入院しようと思いました。
でも、残念なことに、まったく変わらなかった。
すこしも、気を休めることすら、できませんでした。
個室ではありましたが、
部屋の外の音や人の出入りが気になり、寝返りばかりうってました。
枕やシーツの感触や病院独特の匂いが不快に感じました。
点滴の針が刺さって、身動きがとれない感じも苦痛でした。
吐き気は、1ミリも変わりませんでした。(点滴に、吐き気止めも入っているのに!!)
同じように横になっているのなら、自宅にいたほうがいいと判断しました。
点滴が終わって、その意思を伝えると、
再度「それでも入院したほうがいい」と言われましたが、毎日でも点滴に通うので、自宅に帰りたいと告げました。
それで、なんとか、医者も納得してくれました。
もちろん、点滴するために、ちゃんと病院に通いましたよ。
とりあえず1泊だけして、どっちがいいか試してみるってのもいいと思います。
実際、それで、家のほうがいいと退院した人もいます。
逆に、入院することで、
家にいるよりゆっくりできてよかったとか、仕事の休みをしっかり取ることができて、つわりの症状が楽になったという方もいます。
入院するにしても、しないにしても、
つわりの辛い時期には、周りを気にせず、自分の心と身体が休まる環境に身を置くことが大切です。
そのために、どちらを選択するか?
そして、あかちゃんと自分の命を守るためにはどちらが必要なのか?
まずは、このふたつを、ご自身で考えてみてくださいね。
つわりとマタニティ鍼灸・産前産後じゃないおっぱいセラピー【助産院 ある】/助産師の鍼灸師 下地あやの