匂いつわりは、
匂いに対して敏感になり、それが原因で、吐き気や頭痛などが起こります。
知らない人は、説明だけ聞くと「それだけ?」って思うかもしれません。
匂いつわりも、よだれつわりにならぶ、地味なのにしんどいつわり。
ツラさをわかってもらえないツラさ。
そして、もっとも避けにくい(対策がしずらい)ツラさです。
匂いは、
向こうから勝手にやってくるし、ずっと鼻を閉じて歩くことはできませんですしね。
つらいのは、こんな匂い
・ゴハンの炊けるにおい
・台所、冷蔵庫のにおい
・トイレ
・たばこ
・お酒(アルコール)
・コーヒー
・香水
・洗剤
・シャンプー、整髪料
・はみがき粉
・体臭(加齢臭など)
・芳香剤
・柔軟剤
・お風呂のお湯(湯気)
どのにおいがダメになるかは人それぞれ。
普段はなんてことないのに、
匂いだけで、こんなに気分が悪くなるなんて、自分の身体が自分じゃないみたいに感じます。
ほんのちょっとの匂いに我慢ができなるなることに、まず自分が驚く。
匂いつわりの対策は、
なんといっても、その匂いを避けること。
欠かせないアイテムは【マスク】です。
2重にして通勤しているという人もいます。
ほかには、シャンプーや洗剤を無香のものに変えたり、はみがき粉を塩に変えたり。
匂いに敏感になることを逆手にとって、アロマを活用するのもいいかもしれません。
シトラスやローズマリーのようなさわやかな香りは、スッキリした気分にさせます。
バラ・カモミール・ラベンダーの香りは、悪心・嘔気に効果的といわれています。
柑橘系のオイル(マンダリン、スイートオレンジ、ライム、グレープフルーツなど)、ジンジャー、ペパーミントなど、気に入ったの香りを見つけて、ハンカチやコットンにふくませておくとよいです。
イヤな臭いに出会ったら、そのハンカチで鼻と口をおさえるだけで、気分が落ち着きます。
ただし、妊娠初期には避けた方がいいアロマもあるので、
利用する時は、専門的な知識をもった方などに相談するなどしてくださいね。
つわりの原因には、体質的な要素がからんできます。
ですが、匂いつわりには、
こういう体質がなりやすいというものが、あまりないような気がします。
じゃあ、なぜ、匂いつわりがおきるのか?
それは、単純に
「身体にとって、害のあるもの、いらないものを"本能的に"避けるため」だと考えています。
嗅覚は、人間の五感の中で、最も原始的であり、本能的な感覚。
妊娠によって、身体の本能が目覚めるのは、女性の身体にとって必要なことです。
匂いつわりが辛いのは、
症状そのもののツラさはもちろんですが、そこに"社会的ツラさ"がプラスされるから。
ゴハンの炊ける匂い、台所、冷蔵庫、洗剤や柔軟剤の匂いがダメになることは、料理や家事ができなくなること。
ほかの人が体臭(香水や柔軟剤の匂いも含む)、たばこ、通勤電車の匂いがダメになることは、会社に行けなくなること。
わたしの場合、
だんなが飲むコーヒーの匂い、そして、上の子どもたちの匂いがダメになりました。
子どもたちに匂いがダメになったのは、特にキツかったなー。
保育園から帰ってきて、抱き着いてくる子どもたちを、無理に引きはがすことなんてできないし、抱きしめたいのに抱きしめられないツラさ。
子どもたちがくっついてきたら、バレないように、できるだけ顔をそむけていました。
匂いつわりが、
本能的な反応というのは、今の自分自身じゃなく、お腹のあかちゃんが嫌がっている反応だと思ってみる。
つまり、あかちゃんが、「ママ、ぼく(わたし)それいらないから、あっちへやって」って言ってる。
赤ちゃんには、家事や仕事や社会的立場なんて、お構いなしだから。
妊娠や出産、子育てには、
どこかで、少なくともそういった考えが必要になってきます。
それを、身をもって体感させているのかなぁと思います。
本能的な反応は、それ自体をどうこうしようとしても、しょうがない部分が多い。
自然を相手にしているようなものだから。
全身のバランスを調えたり、身体の反応をおだやかにすることで、ツラさを和らげたり、つらい時期を短くすること。< /strong>
それが【つわり鍼灸】の目的。
身体と上手に付き合うって、そういうことなんじゃないかと思っています。
つわりとマタニティ鍼灸・産前産後じゃないおっぱいセラピー【助産院 ある】/助産師の鍼灸師 下地あやの