つわりのピークは、一般的に、妊娠8週~11週頃といわれています。
さて、我々が、つわりでもっとも苦しんでいるこの最中、お腹の中の赤ちゃんは、いったい、どんな様子なのでしょう?
お腹の中では、どんなことが起きているのでしょうか?
もしかしたら、つわりでそれどころじゃないって思う方もいるかもしれませんが、
とても大切なことなので、今日は、そのあたりをくわしく紐解いてみたいと思います。
まずは、つわりが始まる頃から。
早い人では、妊娠5週目には、つわりによる体調不良を感じます。
たいていの方は、
生理が遅れていることに気づき、妊娠検査薬を買って調べてみたら、陽性反応だった。という感じでしょうか。
この時期、主に、エコーで見えるのは、胎嚢(たいのう)という赤ちゃんを包んでいる袋です。
そして、その中では、驚くほど、ものすごーーーいスピードで、大切な内臓の基礎となる部分が作られています。
妊娠6週になると、たった1週間で、小さな心臓がチカチカと動く様子が、エコーで確認できます。
そして、さらに1週間たつと、小さな丸から、頭と身体がわかるようになります。
この時期の赤ちゃんは、まだ胎児ではなく、胎芽とよばれます。
妊娠8週(妊娠3か月)になると、様々な臓器が作られ、「胎芽」から「胎児」になります。
つわりが本格的にしんどくなってくる時期でもありますね。
妊娠9週頃には、頭や胴体、手足の形が整えられてきます。
つわりのピークが終わる妊娠11週では、数ミリしかなかった身長は7~9cmほどになっています。
さらに、妊娠12週(妊娠4か月)になると、男の子と女の子の違いが出来始めます。
そして、内臓の基礎は、ほぼすべて完成します。
栄養や酸素の受け渡しをする胎盤が、子宮に根をはるようにしっかりしていき、へその緒も次第に太くなっていきます。
この時期に、これらがどう作られるかで、その後の赤ちゃんの成長や誕生に影響します。
こうして、その子の人生のスタートが形作られていくのです。
こんなにも短期間に、お腹の中で、こんな変化が起こっているって、とてつもなく、ものスゴいことですよね!!!
こっちがつわりで、なにも食べなかろうが、何度も吐こうが、むしろ容赦ないほど、栄養をもらって、グングン育っていく。
なにも意識していないのに、勝手に、ひとりの人生が、あなたのお腹の中で、すでに始まっているのです。
妊娠12週未満の早い時期での流産は、全流産の8割以上になると云われています。
つまり、つわりのあるこの時期に、お別れしてしまうことも、かなり多いということ。
それを考えるだけでも、
つわりで苦しんでいる今、まさに【アタリマエの奇跡】が起きているんだなと思います。
もしも、あなたがこれから、人生のすべてと命をかけた、とても大切な物事にとりかからなくてはいけないとしたら、まず何をしますか?
体調を万全にし、そのことだけに集中できる環境を整え、
それ以外は放置して、自分のもてるエネルギーすべてをそそげるよう、覚悟をもって、挑むのではないでしょうか?
つわりの真っ最中、赤ちゃんはもちろんのこと、あなたの身体もそれと同じことをしています。
ものすごく、ものすごーーーく大切なことです。
つわりがあまりにもしんどくて、そんなこと言われても、「きもちわるい」以外、なにも考えられないという方もいらっしゃるかもしれません。
実際に、わたしもそうでした。
けれど、辛いつわりの中でも、ちょっとだけでいいから、思いだしてほしい。
それで、つわりが楽になるわけではないけれど、あなたの勇気と力になるから。
とてつもない奇跡が、今まさに、身体の中で起きているってことを忘れないでいてと思うのです。