逆子と呼吸 ― からだをゆるめる鍵
ここまで、冷えやからだの緊張と余白、上と下のバランス、自律神経という視点から、からだの状態を見てきました。
そのすべてに関わっているのが「呼吸」です。
からだの状態を変えていく糸口
呼吸は、意識しなくても続いているものですが、意識を向けることで、からだに変化を起こすこともできます。
・少し気を張っているとき、
・考えごとが続いているとき、
呼吸は自然と浅く、速くなっています。
反対に、
・安心しているとき
・ゆったりしているとき
呼吸は深く、やわらかくなっています。
つまり呼吸は、からだの状態を映していると同時に、からだの状態を変えていく糸口にもなるのです。
どんなふうに呼吸したらいいの?レベル①
ここで、ほんの少しだけ、一緒にやってみましょう。
一度目を閉じて、まずはゆっくりと息を吐いていきます。
ふーっと、できるだけ長く、やさしく。
吐ききったあと、
思わずふわっと大きく吸いたくなるかもしれませんが、あえてゆっくり、うすく吸ってみます。
「吸う」というよりも、静かに空気が入ってくるのを待つような感覚で。
思ったように息が吸えなくて苦しくなったり、集中力が必要だったりします。
やってるうちに慣れてくるので、一度であきらめたり、たくさんやって満足するのではなく、少しずつ何度でも、思い出したらやってみる、くらいの気持ちで取り入れてみてほしいです。
レベル②:吐く息の長さや吸う量をコントロールできたら
もう一度、ゆっくり長く吐いて、また、やさしく吸います。
このとき、吸った息がからだのどこに入っていくのか、吐くときどこが動いているのかに、じっくり意識を向けてみてください。
妊娠中はお腹が大きくなっているため、いわゆる「お腹がふくらむ呼吸」が、やりにくかったりします。
「はい、深呼吸〜〜」と言われても、普段のようにいかない場合が多いです。
なので、その代わりに、長く吐いてうすくゆっくり吸う時に、背中がじんわりと広がっていくような感覚をイメージしてほしいです。
実際、背中に手をあてると、微細ですが、背中が動くような感覚が出てきます。
このとき、気をつけたいのが、上下に動くのではなく、背中が広がって縮むような動きです。
最初は、肩甲骨のあいだあたりから。
そこから少しずつ、胃のうしろ、腰まわり、仙骨、おしりの方へと、背中(胴体)全体に、呼吸がひろがっていくようなイメージで。
そして、吸うときは肩を持ち上げずに、吐くときは胸をなでおろすように、やさしく下げていきます。
まずは、自分の呼吸を感じてみる
最初は、うまくできているかどうかよりも、
「どこが動いているかな?」
「今の呼吸はどんな感じだったかな?」
と、ひとつひとつ確かめるように、からだと対話する時間として過ごしてみてください。
思ったようにできなかったり、左右差やくせがあったりすることもあります。
でも、それも含めて「今のわたしのからだって、こうなんだな」と気づいていくこと自体が、とても大切なプロセスです。
呼吸こそ『安産』の鍵!!
そしてこの呼吸は、お産のときにも、産後の回復のときにも、とても大切な役割を持っています。
からだの力を抜き、必要なところに自然に力が集まり、赤ちゃんと一緒に流れにのっていくための、もっとも大事な土台になります。
特別なことではなく、日常の中で、自分の呼吸にふれること。
呼吸をしなければ、生きることはできません。
無意識にできるものだからこそ、あえてていねいに意識して、自分のからだにつなげてみる。
これは、他のだれにもできないこと。
あなたにしかできないことです。
その積み重ねが、からだの余白を取り戻し、本来のバランスへとつながっていくものだと思います。
