ここまで、「冷え」や「からだの余白」、そして「上と下のバランス」という視点から、からだの状態を見てきました。

今回は、同じことを少し違う言葉で見ていきます。

自律神経のバランス

東洋医学でいう『上実下虚』
「気が上にのぼり、下が弱くなる状態」は、自律神経のバランスとしても捉えることができます。

自律神経には、

・活動するときに働く「交感神経」
・リラックスしているときに働く「副交感神経」

の2つがあります。

考えることが多かったり、気を張る時間が続いたりすると、交感神経が優位な状態になりやすくなります。

 スマホや画面を長く見ていたり、
 仕事や家事で頭を使い続けていたり
 人間関係で気を遣う場面が多かったり。

あるいは、
 なんとなく眠れない夜が続いていたり、
 心配ごとが頭から離れなかったり。

そうした時間が積み重なると、からだは知らず知らずのうちに【緊張モード】のままになっていきます。

すると、呼吸は浅くなり、からだはどこか力が抜けにくくなます。

同時に、気は上にのぼりやすくなっていると言えます。

これはまさに、上実下虚の状態ととてもよく似ています。

自律神経とお産

つまり、自律神経の【緊張モード】は、
あたまががんばり続けていることが、からだにも影響している、とも言えるのではないでしょうか。

しかし本来、お産は、頭でコントロールするものではなく、からだに備わっている力が自然に働いていくものです。

逆子であってもなくても、そのことはかわりません。

そのとき大切になるのは、考えることよりも、感じること。

思考よりも、感覚や直感がひらかれている状態が大事なのだと感じます。

からだ本来のリズムを取り戻す

現代の生活の中では、どうしても考えることが優先されやすく、からだの感覚は後回しになりがちです。

だからこそ、少し立ち止まって、五感を使う時間を持ってみること。

 風の気持ちよさを感じたり、
 食べものの味をゆっくり味わったり、
 お腹に手を当てて赤ちゃんの存在を感じてみたり。

そんな時間の中で、からだは少しずつ本来のリズムを思い出していくものです。

逆子との関係

呼吸が深くなり、からだの力がやわらぎ、上にのぼっていた気がゆっくりと下へおりていく。

交感神経が静まり、副交感神経がそっと優位になって、からだは自然とバランスを取り戻していく。

それが、お産に向けての本来のからだの働きだとしたら、逆子であることは問題などではなく、そのバランスを取り戻すきっかけのひとつなのかもしれません。

からだの中のバランスが整い、赤ちゃんにとっての空間もがやさしくひらいていくことで、赤ちゃんが動きやすい環境につながるのだ思います。