つわりのツラさは、経験した人にしかわからない。
そう思っていますが、
それでも、つわりを知らない人に、どういう表現をしたら、つわりのツラさが伝わるだろうか?
そんな事を考えます。
「まるで、ひどい船酔いのようだ」という人もいますね。
つわりを経験したことない人(特に男性)に、私がつわりを説明するなら、こうかな。
「ものすごいヒドい二日酔いが続いていて、その状態がもう、一生治りませんと医者に言われ、実際にその通りという感じです。」
つわりが、もし一日だけだったら、ここまでしんどいとは思わないはずです。
ですが、具合の悪さが1ミリも良くなる気配すら感じられず、この状態が、明日も明後日も続いていく・・
場合によっちゃ、
今日でもう限界と思ったところから、明日には、もっと具合が悪くなることもある。
もう、どこまで悪くなるかもわからない。
これ以上、悪くなるのか?
この状態が、いつまで続くのか?
そういう時期が、いちばんしんどい。
まさに、出口の見えない、暗い長いトンネルを、永遠に、ただ這い歩くしかないような、そんな絶望です。
ものすごいヒドい二日酔いを思い浮かべてみてください。
目が醒めた時の、絶望的なあの気持ち。
ですが、どんなにひどい二日酔いでも、
お水をたくさん飲んで、トイレに行って、もう一回死んで寝て起きたら、頭は痛いし、気持ちは悪いけど、さっきより少しはマシになっているのが、ちょっとは感じるはずですよね。
そしたら、また水を飲んで、熱いシャワーをあびて、もう一回寝たら、最初よりはだいぶよくなるはずなんです。
だけど、つわりは、
寝てもさめても、何度寝返りをうっても、なにをしても、マシになる感覚がまったくない。
水を飲んでも、シャワーをあびても、よけいにますます具合がわるくなる。
それが、まるで永遠のように続く。
明日にはよくなっているという希望が、まったく、どこにもみえないんです。
だから、ひたすら、じっと過ぎるのをただ耐える。
息をひそめて、1日でも1秒でも早く終わりが来ることを願う。
これ以上、悪くならないようにと、神様に祈る。
そんな日々。。
いくら言葉で説明しても、
おそらく、あの絶望感は体験しないとわからない。
ひとりで戦う、先の見えない不安が、
どれだけ、つわりで弱った身体を、さらに追い込むか、きっと、ほとんどの人がご存知ないでしょう。
だから、わたしは、つわり鍼灸をやると決めたんです。
うっすら小さい光でもいい。
その瞬間だけは、希望を感じられるように。
「明日までなら、もしかしたら、どうにか耐えられる」
せめて、1日はそう、思えるように。
そんな日が、月に何回か続けば、
いつの間にか、嵐は止んで、ほんとうの太陽が光刺す日が、必ず来るから。
つわりとマタニティ鍼灸・産前産後じゃないおっぱいセラピー【助産院 ある】/助産師の鍼灸師 下地あやの