035|向きぐせでやりがちな“逆効果”とは?
知らずにやってしまいやすい3つのこと
前回は、生後3ヶ月になるまでの赤ちゃんにできる向きぐせをやわらげる3つのことをお伝えしました。
でも実は——
よかれと思ってやっていることが、かえって偏りを強めてしまうことがあるのです。
どれも知らなければ、誰でもやりがちなことです。
今日は、そのポイントを3つお伝えします。
①床に寝たまま、頭だけを動かす
向きを変えようとして、赤ちゃんを寝かせたまま、頭だけをくいっと動かしていませんか?
そうすると、頭は動いても、体はねじれたままで、結局、赤ちゃんはまた、いちばん楽な向きに戻ります。
これがよく「向きを変えてもまたすぐ戻ってしまう」と言われる原因のひとつです。
さらに、気をつけてほしいことがあります。
床に頭をつけたまま動かすと、頭を引きずる動きになりやすく、思ってもいない場所に摩擦や圧がかかることがあります。
それが、ゆがみを強めてしまう原因になることも。
向きを変えるときは、体ごとやさしく。
そして、いったん抱き上げてから、
もしくは、優しく包むように、ほんの少し、頭を浮かせて向きを変える、それだけで違います。
②「反対に向ければいい」ではない
右の向きぐせなら、左に向かせる。
一見、正しいように思えます。
でも、実は「左」といっても範囲は広いのです。
・左の前側なのか
・左の後頭部なのか
・左の耳の位置か
どこが床についているかで、どの部分に重さがかかり続けるかが変わります。
実際、ただ“左を向ける”だけだと、赤ちゃんは、その中でもいちばん落ち着きやすい位置を選びます。
その結果、同じ部分に圧がかかり続け、ゆがみを強めてしまうことがあります。
大事なのは、
「どっち向きか」よりも
「どこが床についているか」
よく観察してみることで、気付くことがあるはずです。
③ 体の緊張に気づかないまま向きを変える
向きぐせが気になると、つい、顔や頭の“向き”ばかりに目がいきます。
でも、背中の反りが強い場合、ただ向きを変えるだけでは、身体の緊張がやわらぎにくいことがあります。
たとえば、
背中が伸びた状態で抱っこしている
ずっとフラットで固いマットレスに寝かせている
そんなときは、赤ちゃん自身が楽な方向で体を固めやすくなるので、向きだけを変えても、また元に戻ってしまうことが多いのです、
大切なのは、頭の向きだけでなく、体全体を見ること。
向きぐせは、顔や頭の“向き”の問題だけではないこともあるのです。
多くはよかれと思ってやってきた方法です
どれも知らなければ、誰でもやってしまうことです。
実際、病院や新生児訪問で、「向きぐせが気になる」と相談したときに、「反対を向かせればいいよ」とアドバイスを受けることも多いはずです。
だから、そうしてきたとしても、お母さんが悪いわけではありません。
多くはよかれと思い、赤ちゃんのためを思って選んできた方法です。
赤ちゃんの体は、思っているよりも繊細で、全体でつながっています。
でも、それは同時に、全身を使って、今いる環境になじもうとする強さでもあります。
少し視点が増えるだけで、関わり方は変わります。
大切なのは「直そう」「正そう」と力を入れることではなく、赤ちゃんの体をまるごと見ること。
次回は、それでも変わらないときに見てほしいサインについてお話します。
