逆子ケアというと、ほとんどの人が「赤ちゃんの向きを変えるためのもの」そう思われるでしょう。

けれど、逆子ケアに取り組む時間は、それだけにとどまらない、大切な意味を持っていると考えています。

逆子ケアは、赤ちゃんと向き合う時間

お腹に手をあてて温かさを感じたり、呼吸に意識を向けたり、体の緊張や冷えに気づいたり。

逆子ケアをしている時間は、赤ちゃんと「調和する」時間でもあります。

それまで、どこか外に向いていた意識を少しずつ、自分のお腹の内側へ戻していく。

「どうしたらいい?」から「今、どう感じている?」へ

逆子と言われると、
「何をしたらいいんだろう」
「これで合っているのかな」
と、頭で考える時間が増えがちです。

でも、逆子ケアを続ける中で、
少しずつこんな問いに変わっていくことがあります。

「今、お腹はどんな感じかな」
「赤ちゃん、今日はよく動いているかな」

正解を探すより、
今の体や赤ちゃんの様子に気づくこと。

この感覚は、逆子ケアだけでなく、これから迎えるお産の時間にも、深くつながっていきます。

赤ちゃんは、いつも一緒にいる存在

逆子ケアを通して見えてくるのは、
赤ちゃんは「思い通りに動かす存在」ではなく、
いつも一緒に、同じ体の中で過ごしている存在だということです。

動く日もあれば、静かな日もある。
反応がはっきり感じられる日も、よくわからない日もある。

そのひとつひとつに、意味をつけすぎなくていい。
ただ、感じて、受け取っていく。

その積み重ねが、
赤ちゃんとの関係を、少しずつ育てていきます。

結果よりも、関係が残っていく

逆子ケアをした結果、
赤ちゃんの向きが変わることもあれば、
変わらないこともあります。

けれど、どちらの場合でも、
赤ちゃんと向き合った時間そのものは、
確かに残っていきます。

自分の体に耳を澄ませること。
赤ちゃんの存在を、日々感じること。

それは、
出産のかたちがどうであっても、
産後の育児が始まってからも、
静かに支えになってくれる感覚です。

逆子ケアは、関係づくりの入り口

逆子ケアは、
「うまくいかせるためのもの」ではなく、
赤ちゃんと向き合う関係づくりの入り口だと感じています。

結果を急がず、
比べず、
今の自分と赤ちゃんの状態を大切にすること。

その姿勢は、
これから先の妊娠後期やお産、
そして育児へと、自然につながっていきます。

逆子ケアの時間が、
「赤ちゃんと過ごす時間の始まり」として、
そっと心に残ってくれたらと思っています。