マイストーリー

第4話:耐えきれず、実習先から逃走!!

前回の話:
助産師って、赤ちゃんをとり上げるだけじゃない。
それを知って、助産師を目指すことにしました。

あなたもカンチガイしているはず、助産師ってこんな仕事

第3話:赤ちゃんを取り上げるだけじゃない。○○だからできる志事(シゴト) 前回の話: とりあえず、看護師になろうと思った。 人生を決めた、センター試験一日目の夜のこと・・ (そう、大した事ではない...

 
***

とりあえず、助産師になろうと決めましたが、
それは、思っていた以上に、過酷な道でした。

どんな風かというと・・

助産師になるには、
看護師と助産師、両方の資格が必要なので、

看護師になるための単位を取ったうえで、
さらに、助産師になるための単位が必要になります。

 
つまり、看護コースのクラスメイトと比べると、
同じ時間で、2倍の勉強量をこなすことになります。

もちろん、講義だけでなく、
それに付随した課題、そして、実習も。。

お産をとり上げる助産実習、これがまた、大変なのです。

 

過酷さの理由、ひとつめ。

実習が、昼夜を問わないこと。

 
もちろん、看護師の実習も、それはそれで大変ですが、
実習の時間は、日勤帯(8時~17時)と限られています。

ですが、助産師実習は、
病院実習の大変さに加えて、昼夜関係なく、行われます。

だって、お産はいつあるか、わからないから。

たとえ、どんな真夜中であっても、
お産の連絡が入れば、すぐに、病院にかけつけなくてはいけません。

 

過酷さの理由、ふたつめ。

決められた期間内に、
10例のお産をとり上げなくてはいけないというノルマがあること。

 
実習期間は学校によってちがうでしょうが、
だいたい、2~3ヵ月間だと記憶しています。

その期間に、どれくらいのお産があるか?

その中で、学生が対応できるお産はいくつあるのか?
(ハイリスク出産などの正常分娩以外は、実習対象外)

さらに、その産婦さんとご家族が、実習に賛同してくれるかどうか??
(お願いしている立場なので、ご本人とご家族には拒否権がある)

 
もちろん、助産学生は、私一人ではありませんので、
最終的に、実習として受け持ちができる症例数は、ものすごく限られてきます。

なので、数少ない症例を受け持つ(ノルマ達成の)ために、必死。

 
万が一、こちらの都合で、
症例を落としたら、即刻クビ!!

担当教官からは
「その時点で、実習終了宣告を言い渡す」と脅されておりました、笑;

 

そして、過酷さの理由、三つ目です。

運よく、お産の受け持ちが決まったとして、
陣痛がはじまった妊婦さんにつきそい、入院時からの分娩第一期をいっしょにすごします。

分娩第一期というのは、陣痛の時間です。

短いと数時間から半日、長くて、2日以上かかることもあります。

その期間、
マッサージをしたり、呼吸法に付き添ったり、上手に痛みを逃す方法を探したり、散歩したり、休ませたり、今後の分娩進行を予測したり、
やることはたくさんあります。

 
いつ、お産が進むのか?

いつ、分娩室に移動するのか?

この進み方は、正常なのか?それとも、問題があるのか?

だとしたら、今はなにをすべきか?

 

命の誕生に付き添うわけですから、常に、ド緊張の連続です。

ですが、だからといって、
産婦さんを必要以上に、不安にしてはいけません。

なるべく、平静をよそおって、そこは笑顔で!!

 
もちろん、病院の助産師さん、指導教員、ドクターが見守る中、
万全の体制ではありますが、とくに、産婦さんが、分娩台に乗ってからのことは、もう、ここに書ききれない。

正直、緊張しすぎて、
おぼえてはいるけれど、言葉にならない。

 

過酷さ、四つ目。

さぁ、無事、赤ちゃんが生まれました!!
よかったぁ~~

ですが、それで終わり・・ではない。

 

陣痛からつきそった、出産までの記録を正確にまとめつつ、
この先、お母さんが順調に回復し、赤ちゃんとの生活がスムーズに始められるよう、退院までの看護計画を立てます。

昼間は、産後のお母さんを看ながら、
母乳育児のケアを行い、沐浴やおむつ交換など赤ちゃんのお世話についての指導をします。

 
夜、遅くまでお産に付き添ったとしても、
数時間、休憩したら、朝は日勤帯と同じ時間に、病棟に出向き、指導実習をこなしていきます。

さらに毎日、膨大な記録に残していきます。

 

また、この記録というものが大変で、
学生の頃、実習記録に苦戦したという看護師や助産師の方も多いのではないでしょうか?
(正直、記録物は働いている方が楽)

教官や実習指導の助産師さんに、
アレコレつっこまれながら、ダメ出しをその都度、訂正して、何度も再提出をくりかえしながら、

それと同時進行で、別のお産があれば、夜中でもかけつける。。

 

そういった一連の流れを、最低10回、こなしていきます。

最低、と書きましたが、
実は、これは直接介助の症例数。

 
実際は、同じ実習学生のペアがいて、
相方の受け持つお産をサポートする間接介助という役目も、同時にこなします。

 

体力勝負はもちろんのこと、
頭は、つねにフル回転。

一瞬たりとも、気を抜けません。

 
身体は疲れているはずなのに、
夜中、いつ、電話が鳴るかドキドキして、寝付けないこともしょっちゅう、ありました。

実習中、「ちょっとトイレにいってきます」といって、
便座に座った瞬間、気づいたら、そのまま、トイレで座ったまま、寝てたってこともありました、汗。

 

そんな過酷な実習中、こんな思い出があります。

当時の先生にバレたら、怒られそうだから言いたくないけど、
きっと、もう時効だから、いいかな、笑

 
わたしの実習先は、学校や自宅からは車で数時間かかる、少し離れた場所だったため、
実習中は、看護師寮の1室を貸してもらい、ペアの相方といっしょに寝泊まりをしていました。

クリスマスの時期、
実習期間の半分がすぎた頃だったと思います。

 
ある日、相方とふたり、

過酷な実習の疲れ、いつ呼び出されるかわからない緊張、恐怖、慣れない寮生活・・
ついに耐えきれなくなって、

「もう、無理ッーーー!!!
一晩でいいから、家に帰って、自分のベッドで寝る!!」

といい、実習先から逃亡しました。

 

自宅から病院まで、車で2時間ほどかかります(混んでいたらもっとかかる)

もし、オンコールの電話がかかってきて、
その時点でお産に間に合わなければ、即アウトです。恐

そして、万が一、教官にバレたら、
「もう実習はしなくていい」とクビを宣告されたはず。

 
もろもろを覚悟のうえ、
ふたり、無言で車に乗り込み、高速を飛ばし、家に帰りました。

幸い、その日、病棟からの電話はなく、
もちろん、先生にバレることもなく、笑

翌日、何事もなかったように、
寮に戻って、無事、実習を続けることができました。

 

いまとなっては笑い話ですが、当時は必死だったんですよ。

ここまで、書いてきましたが、
大変なのは、実習だけじゃないんです。

 

過酷さ、五つ目(まだある?!)

実習期間は、
大学4年目の秋から冬にかけてなんですが、

この時期、他の同級生は?というと、
卒業研究と国家試験の勉強を、がっつりすすめている時期です。
(国家試験は、1月末~2月)

 
つまり、過酷な病院実習と並行して、
スキマ時間(そんなの、あるのか?!)に、卒研と国試の勉強を、自力で進めなくてはいけません。

 

それでも、正月明けまでに、実習症例がそろえば、万々歳。

間に合わなければ、
必要な症例数が取れるまで、国家試験直前だろうが、実習は続きます。

ちなみに、わたしの場合は、
国家試験が終わってから、ほかの同級生が卒業旅行に出かける中、実習をしました、涙。

 

こうしてふりかえると、
ホント、よくやったな~と思います。

今も、助産師として病院で働いている当時の同期はいいます。
「助産実習だけは、二度とやりたくない」

 

助産学生の過酷さだけ、強調して書いてしまいましたが、
大変な分、それだけ、得るものは大きかったと思います。
(これを読んで「助産師なるのやーめた」って思わないでね、笑)

実習は大変でしたが、
実習先の助産師さん、女医の先生、そして、受け持ちになった産婦さんたち、ステキな出会いもたくさんありました。

そんな中、
ある助産師さんの姿をみて、わたしもこんな助産師になりたいと思ったんです。

第5話:目指したのは、安心を与えられる人 前回の話: とりあえず、助産師をめざしたのはよかったのだけれど、 その中身は、"とりあえず"では済まされませんでした。 ...